一週間ほど前、ゆうじが仕事で○○へ行ったところ、男と腕を組ん
で歩いている洋子を見かけたそうだ。気をつかってゆうじは、だい
ぶ和らげた表現をしていたが。ハタから見れば、どう見ても仲の良
いカップルにしか見えない、とのことだった。
「オマエだから、見て見ぬフリはできなかった」と詫びていた。
胸が痛くて吐き気がして、倒れそうになった。
俺は、ゆうじへ数ヶ月前のことを話した。
ゆうじは黙ってきいてくれた。
そして、しばらく考えこんだあと、俺に言った。
「勘違いかもしれない。早まったことはするな。」
「俺の知り合いを紹介する。調べてもらおう。」
さっさと飲み屋を出て、タクシーに乗り、ゆうじの知り合いのとこ
ろへ向かった。そこは調査会社だった。
調査会社の担当者は、元警察関係の人で、ゆうじの親父さんとは
親友だった。
さっそく調査を依頼することとなった。調査費用は、身内価格、
ほとんどゆうじが貸してくれた。「ある時、払いでいい。」ゆうじ
には心から感謝した。
ゆうじを含め、担当者と打ち合わせを行なった。
「早まった行動は慎め」
「いつも通りに生活しろ」
「決して自○など考えないように」
俺の出張期間にあわせて洋子の行動を監視してくれることとなった。
毎日は無理。時間帯・曜日などを決めて、写真撮影と細かいレポー
トを頼んだ。
この日は、さすがに自宅へ帰れず、ゆうじのウチへ泊まった。
翌日は、ゆうじのウチから出勤。
帰宅時間は終電ギリギリだったがありがたかった。
洋子は、すでに寝ていた。
「もし本当に浮気していたらどうしよう」
「本当に浮気しているんだろうか」
「洋子の気持はもうすでに俺から離れているのだろうか」
いろいろ考えると全く眠れない。
食事も満足にノドを通らない。
気分が悪くてどうしようもなかった。
風呂からあがり、洋子の横に寝る。
胃の辺りにシコリを感じ、吐き気が止まらなかった。
洋子と同じ空間で同じ時間を過ごすことは苦痛以外の何ものでもな
かった。仕事は自分の裁量である程度ならコントロールができる。
辛さを忘れるため、朝から晩まで馬車馬のように働いた。
5日間の出張だった。
出張の前日、ゆうじを含め調査会社の担当者と打ち合わせをした。
この時の打ち合わせは、「もしクロだった場合どうするか?」だった。
これを決めることで方針が変わるとのこと。
食事もままならず、ロクに睡眠もとれず。 限界だった。
再構築は不可能だった。
「離婚します。」
そう答えた。
調査方針は決まった。クロだということを前提に。
「言い逃れできない証拠を掴む。」
「出張から戻りしだい、離婚へ向けて動く。」
「早まった行動は決してしない。」
夫婦の共有財産などのチェックも出張から戻ってきてからとなった。
翌朝、俺は、いつも通り出張へ出発した。
腹の中では「勘違いであって欲しい」という気持と
「浮気してんだろう」という気持がドロドロと渦を巻いていた。
イライラが収まらず貧乏揺すりが止まらなくなっていた。
羽を伸ばす気になど全くなれず、ホテルの部屋でひとり胃痛に苦しんだ。
仕事が終わり、ウチへ戻らず、まっすぐ調査会社へ向かった。
調査結果は、クロだった。それも単なる浮気ではなく、最悪の形だっ
た。
コメント
慰謝料が払われなかったら差し押さえしてやれ
敵にまわしてはいけない人間がいることを教えてやれ
↑10年前10年前(笑)
仕事辞めんじゃねーよ
支払いが滞ったら差し押さえをしとけ
やるからには徹底的だ
川越M病院眼科の検査技師さんのことかと思った。
バカどもには徹底的に地獄を味あわせてやればいい
0年代だね~
笑える。格闘技経験者w
創作というのも照れるレベル