帰国日に電話したように思う。
数日後に繁華街で待ち合わせたんだと思う。
地元ではなく進学先の繁華街。
書いてなかったが、4回生になって翔子は先輩のアパートをそのまま
引き継いで一人暮らしを始めていた。女子大生専用アパートだった。
電話も引いていた。
ある晩、翔子のアパートに電話した。出なかった。
夜中まで何度かかけたが繋がらなかった。
結局、電話に出たのは翌日の夜だった。
サークルのお別れ会でメンバーの下宿に泊まったと言っていた。
旧帝大の辺りだ。翔子の話し方は少し暗かった。
俺は嫌な予感がした。
数日後、繁華街で一か月振りに再開した。
お土産を受け取った、かもしれない。
いつもは良く話す翔子が無口で伏し目がちだった。
それでも食事をしたり、良く行く雑貨店なんかを巡った、かもしれない。
あまり覚えていない。デートの最後に俺はホテル街に向かった。
ホテル街の入り口にあるホテルの出入り口の前で繋いだ手を強く引っ
張った。
俺:「今からしよう」
下を向く翔子:「今日は嫌だ」
俺:「何で、俺は今したい」
翔子:「嫌だ」
俺:「・・・」
翔子:「・・・」
沈黙が続いた。沈黙を破ったのは俺だった。
俺:「帝人と・・・・・・寝たのか?」
俯いたままの翔子:「・・・・・・(小さく頷く)・・・」
俺:「・・・」空を仰いだ
その後のことはあまり覚えていない。
何でだ、くそぅ、みたいな感情はぶつけたように思う。
お互い今後どうするのかとかは結論を出せないままその日は別れた。
その時聞いたのか、後から電話で聞いたのかは覚えていないが、
お別れ会自体、帝人とだけだったように記憶している。
帝人のアパート近くで飲んで、泊るつもりは無かったが、
酔っぱらってしまって流されたみたいな話だった。
翔子はシ酉が強かった。本当のところは分からない。
最初からそうなる(泊まってセクロスになってしまう)かもと
予感していたのかもしれない。
中糸色後、俺が求めないことを不安に思っていた。
寂しかった。とも言われた。
スキーに行って数日一緒でも何もしてくれなかったとも。
まあ、今思えばテンプレ通りの言い訳もあったかな。
その後、結論の出ないまま翔子の引っ越しを手伝った。
地元へは荷物満載の車で帰った。
帰路の途中俺は切り出した。
「しばらく距離を置こうか」
翔子は俯いたまま肯定も否定もしなかった。
俺は何も言いだせず、手元のカセットを無造作につかみカーステレオ
に差し込んだ。
二人でよく聞いたユーミンの『リフレインが叫んでる』が流れた。
♪どうして どうして僕たちは出合ってしまったのだろう♪
♪どうして どうしてできるだけ やさしくしなかったのだろう♪
♪二度と会えなくなるなら♪
彼女の頬を涙がつたった・・・
支援
一度や二度の浮気は若ければあるさ!それは出来心や気のまよい、
つかの間の遊びにすぎない!心さえしっかり離さなければ大丈夫だ。
そう、心さえ!
おいおいw
どうしてその素晴らしいタイミングでそれ流してしまうんだよw
作為に満ちたノンフィクションドラマみたいじゃねえかw
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