私は20代の頃、ある大繁華街でチンピラとして過ごしました。
テンピラというのはもう社会の底辺中の底辺ですし、兄貴達にも世間様にも人間扱いされません。
ですからストレスが溜まりまくってる分、逆説的ですがスーッとする機会も多いわけです。
そんな生活をしていた頃のこと、
ちょっと思い出したことを書きます。
昨日も書きましたが、例の兄貴には本当にいじめられましたね。
私達はできればブッ○してやりてえと、でもなかなかそんなことできないわけで、
悶々とストレスをため続ける毎日です。
そんなある日、私は事務所当番していたのですが、その時期はちょうどお歳暮の時期でした。
これが結構来るんですね。いろんな品物が。
へぇ~、なんて見てたらけたたましくTELが鳴りました。
「はいっ!○○興業!」元気良く出てみると、例の兄貴でした。
「おう。俺だ。△△組の広間でごちそうになってんだけどよ、今からおめえも来い!」
などと、シ酉が入ってすっかり上機嫌です。
私は行きたくないので当番中だからと断りましたが、
先方が私を気に入ってくれてるそうで、ご指名なのです。
「電話番なんか誰かに代わらせて、いいからすぐ来い!それとついでに何かシ酉の肴買って来い!」
「いや兄貴、この時間じゃまともなもん売ってないですよ」
「う~ん。そんなら事務所に来てるお歳暮ん中に何か適当なもんねえか?」
「珍味詰め合わせっていうのがありますけど」
「おう、そんでいい。それ持ってすぐ来い!」
「ちょっ、でもこれ勝手にもってっちゃっていいんすか?やばくないですか?」
「そんなもん1個くれえわかんねえよ。いいから持ってこい」
というわけで、包みを1個持って出かけたわけです。(続)
宴会はたけなわでした。
早速挨拶を済ませ、1~2杯ご馳走になって例の包みを開けると、
果たしてそれはベルーガ産の最高級キャビアでした。
満場に響き渡る「おおおぉっ!」という歓声。兄貴はもう最高に鼻高々です。
何せ自分の土産が、ひいては自分がこんなに歓声を浴びてるのですから。
さて数日後、事務所にいると親分からTELがありました。
たまたま私が受話器を取ったから良かった。
親分は上機嫌で「××組の親分がキャビア送ってくれたそうだ。届いてんだろ?
悪いけど家まで持ってきてくれ」
私は全身にザアッと鳥肌が立ち、恐怖に身震いしました。(続)
ああ、何という不運。
いかに恨み積もる兄貴とて、まぁ同じ釜の飯を食った仲には違いないわけで、
ものの数時間後には小指がちぎれてのた打ち回る運命かと思うとさすがに憐れをもよおしてきます。
私は親分からのTELを丁重に切ると、すぐに兄貴にTELしてこの重大事件を伝えました。
もちろん、少し脚色して「兄貴が持ってこいって言ってましたよ」と言うのも忘れませんでした。
大惨事になるのわかってて関わりたくないですからね。
さすがの兄貴もこれには慌てふためきましたよ。
「マジかよおい!ホントにそんな電話あったのかこの野郎!
てめめめてめえどどどうすんだよおオイ!」などとサンプリング状態です。
とにかく事務所に行くと言うなり5分もかからず転がり込んできました。
私「親分、すぐ持って来いって言ってますよ。どうします?」
兄貴「どうしよ。おい、どうしよう」
私「でも考えてみれば、キャビアなら良い訳で、同じもの買って届ければバレないんじゃないですか?」
兄貴「そうか・・・そうだよな。包みまで調べる訳じゃねえもんな。
よし、そうしよう、それしかねえ」
ということで、方針は決まりました。他に丸く収まる方法はありません。
兄貴は腹をくくった訳です。
親分宅に行くときはスーツ着用なので、キャビアは舎.弟_にデパートに買いに行かせて、
兄貴は身支度を始めました。
やがてデパートの包みを抱えた舎.弟_が帰ってくるとそれをひったくるように奪い、出かけていきました。
やれやれ、と一息ついてTVを眺め、ゲームなどに興じていたころ、
そう、3時間も経った頃でしょうか、1本の電話に皆が驚愕しました。
何と、兄貴は激昂した親分に木刀でめった打ちに○られたあげく入院してるから、
保険証持って病院に来いという連絡だったのです。
なんで?、なんでだ? 訳がわからずあれこれ考えている私の携帯に、舎.弟_からメールが入りました。
何て書いてあったと思います?
「兄貴の野郎にいじめられていじめられて、復讐するのは今日しかないと思いました。
あの包みの中はキャビアじゃなくて秋田名物とんぶりが入ってます。
今までお世話になりました。
遠くへ逃げます」
(了
なあ・・これ作り話だろ?
いや、作り話でも何でも笑った。
とんぶりを代わりにするあたり、舎.弟_もいいセンスしていると思われ。
今後も是非よろしく。
なんかこう・・・ひょうきんな雰囲気を感じるな
不覚・・・とんぶりにワロタ
どっちかというとお笑い小噺だなw
最初の4行が全く同じだったからコピペ誤爆だと思って流しかけたけど、
流さなくてよかった。
ありがとん。
>>941
ネタかどうかは書き込んだ本人しかわからない。
これ2chでガイシュツどころか、インターネットの基本中の基本だろ?
俺らは与えられた話にただ笑ったりスルーしたりするだけさ。
コメント
知らないなら、とんぶりでも分からないよ、流石に容器見たらバレるけど 食ったことないなら とんぶりで十分。プチプチして美味いねとか言う。