もう二年前の事だけど、どうしても忘れられないので投下
長いです。
私子 当時22歳 接客業
彼男 当時32歳 公務員
チビ男 私子の同級生で元カレ 工場勤務
黒子 私子の親友
彼姉 黒子の職場の先輩で彼男の姉
A夫婦 A子は黒子の友達、A男はチビ男の友達 私子の仲介で付き合い、できちゃった婚
私子と彼男は黒子の紹介で知り合い、彼男から告白されて付き合いはじめた。
彼男が適齢期な為、最初から結婚を前提とした付き合いで、両家族とも公認の仲だった。
なかでも彼姉は私子にとても親切で、私子も本当の姉のように慕い、彼姉の娘の遊び相手にもなったりしていた。
順調に交際を重ね、彼男はとても温和で優しく毎日が幸せで、彼男も私子もなにもかも上手くいっていると思っていた。
ある日、私子が仕事を終えいつものように職場のおばさんと駐車場向かい自分の車に乗り込もうとした瞬間「私子っ!!」車の影から誰かに呼ばれた。
驚いた私子が辺りを見渡すと、男が二人、女が二人私子を睨みつけていた。
声の主はチビ男。黒子とA夫婦もなぜか一緒だった。
あっという間に取り囲まれている私子を見て、おばさんは慌てて大丈夫?と声をかけてくれたけど、大した事ないだろうと考え心配もさせたくないのでおばさんには帰ってもらった。
私子「え、みんな揃ってなにか用?あ、黒子帰ってきてたんだね」
黒子は遠くに住み込みのバイトに行っていたため、久しぶりの再会で私子は嬉しかった。
呑気な事言ってないで、思えばこの時点で逃げればよかった。
チビ男「てめーっ!何か用じゃねーんだよっ!!!」
いきなりチビ男につかみ掛かられバランスを崩して、コンクリートに転がる私子。
黒子「あんたいい加減にしなよ。帰ってたんだじゃないよ」
異様なサッ気に何がなんだか分からなくてポカーンな私子。
私子「いたっチビ男何するの!黒子説明してよ」チビ男「(顔を真っ赤にさせながら今にもナグりかかんばかり)」
黒子「あんたまた私のメール返さないつもりだったでしょ」
私子「は?メール?あっそういえば来てたね。今日返そうと思ってた」
確かに二、三日前黒子から他愛もないメールが来ていた。
でも私子も黒子も大雑把な性格のため、お互い二、三日後にレスするなんてザラにあることだったので何で黒子が怒っているか分からなかった。
私子「それで怒ってるの?わざわざ職場にまで来て?」
黒子無言
チビ男「私子てめー、おいおまえ嘘ついてただろ」
私子「何言ってるの?いきなり来てなんなの?!」
チビ男「おまえに騙された、言い条件の男に次から次へと乗り換える為に利用されたgkd;gk!!!」
私子「もうラチがあかない帰る」異常な雰囲気に危機を感じ帰ろうとするとA女に腕を引っ張られまたコンクリートに投げ出された。
A子「あんた今ここで土下座しなさいよ!ほら早く!」
よく見るとA子の腕には生まれて数ヶ月の赤ちゃんが抱かれていた。
土下座しろなんて言われても意味が分からないし、A子とは特に仲がいい訳じゃなかったから頭にきたけど、赤ん坊を連れ出してまでしなきゃいけない重要な話なのかもしれない、と思い黒子に話しを聞いてみることに。
黒子「あんた、二股したでしょう?私あんたがしたことみんな話したから」
汚いものを見るかのような視線で私子を見下ろす黒子。
どんな時でも一番の見方でいてくれた黒子の初めて見る表情にぞっとした。
私子はチビ男と付き合いながら彼男とも付き合い、彼男が公務員で条件がいいから乗り換えた。
チビ男のときも彼氏がいたのにチビ男の顔がいいから乗り換えたと、黒子は言った。
そうやって毎回自分に条件の良い男に乗り換え、男を捨てている、と。
もちろん全て嘘。
私子には身に覚えのない話。
でも、どこでそう思ったのかは分からないが、黒子は本気でそう思い込んでるようだった。
その話を聞いたチビ男は激怒、騙された!と別れて半年以上経つのに、仲間を引き連れて乗り込んできたらしい。
チビ男「私子!!彼男を呼べ!!じゃないと名前も仕事先も分かってるんだ、家に乗り込んでやる!!」
私子「やめて、彼男は巻き込みたくない。誤解だから落ち着いて話そうよ」
チビ男「ふざけんなよっ、今日来たからにはてめーの前歯二、三本くらい折ってやんなきゃ気がすまない!」
チビ男は全く私子の話に首を貸さず、その間A子は相変わらず「土下座しろ」コール。
A男は「俺の友達に何したんだこのクソ女!」とドナり、黒子は腕を組み憮然としているだけ。
完璧私子は四面楚歌。大して仲良くもない他人にまで言われ放題。
信じていた黒子に裏切られたショックで頭も回らず、ナグられる恐怖でどうしたらいいか分からない。
ヒドイ言葉で罵られ、涙が出そうになった。
それでもどうしても彼男だけは迷惑をかけたくなくて呼びたくなかった。そんなやりとりを駐車場で三時間くらい繰り返した頃、一台の車が止まった。
彼姉だった。
いつの間にか黒子が電話で呼び出したらしい。
彼姉「私子ちゃん、黒子ちゃんから話は聞いたよ。彼男に電話して」
彼姉が来てほっとした私子。
彼姉を信じていた私子は素直に彼男に電話。
彼男に会うのに場所を移動しようという話になり、各自車に乗り込もうとしたが「逃げるかもしれないから」と強引にチビ男の車に乗せられる私子。
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