俺の最大の修羅場は、元彼女のタヒ亡とそのせいで元彼女の婚約者に訴えられかけたこと
俺と元彼女は、地元の高校での同級生だった
俺の地元はけっこうな田舎で、みんな必ず東京の大学に行くんだって口々に言っていた
そんなことを言いながら、たいていの奴は地元から離れず、電車で行ける地方大学行くんだけどね
でも、多少頭も良くて、父親が公務員していたので金銭的にも恵まれていた俺は東京へ出ることにした
残念なことに元彼女は地元に残るので遠距離恋愛となったんだけど、ありがちなことにしだいに疎遠になってしまった
結局、3年で遠距離恋愛はおわり。正月に帰省した時、友達にもどろうって言い合って恋人関係は円満解消
それからさらに6年経って、俺は大学を出ても地元に戻らず、社会人として東京で働いていた
彼女もできず、ヒイヒイ言いながら仕事をして、狭くてさびしいマンションの部屋に戻る毎日
そんな金曜日の夜に、今週も頑張った自分にビ○ルとスルメで個人慰労会していた時、スマホに着信があったんだ
誰かと思ったら、元彼女からだった。電話を受けると、間違いなくなつかしい元彼女だった
「ひさひさ、あたし元彼女。突然、ごめんね。元気してたー?」
確か、そんな感じの軽くて明るい口調だったのを覚えている。
俺も懐かしくて、「最近どうよ?」とお互いの近況を報告したり、昔話で盛り上がった。
でも、元彼女は途中で何度も、うっとかなんか苦しそうにしたり、苦しそうな息遣いをするんだ
酔ってた俺は元彼女が彼氏を作ったのを聞いていたので、「なんだ? 新しい彼氏とHしながら電話かー?」なんて言った
元彼女は「風邪だよー。ちょっと今、体調が悪いんだ。んで、さびしくなったのさ」なんて軽く返した
その後もしばらく話てから元彼女が「眠くなったから切るねー」と言って、電話が切れた。
この時俺は元彼女の気まぐれだろうぐらいに思っていた。
その次の週の半ばに、電話があったことすら忘れていた俺のところへ母親から電話がきた。
元彼女が山の中で車で事故ってタヒんだんでしまって、いついつ告別式があるって連絡だった。
驚いて俺は会社から有給をもらって告別式に行った
そこでいろいろ話を聞いた
元彼女は山の中でスリップだか運転操作ミスだかで単独事故だった。
事故った元彼女は自分でK察やら救急車に電話した後、なぜか救急車を待っている間に俺へ電話したそうだ
なぜ元彼女が家族や彼氏ではなく俺へ電話したのかは不明。
別れたけど俺に未練があったのか、それとも家族や彼氏に心配かけたくないけど話し相手が欲しくて俺を選んだのか
電話の内容も本当にただの雑談だったし、元彼女が何を想って俺に電話したのかいろいろ想像がつくけど、本当のところはわからない
付き合ってた時もいろいろ抜けていたところがあって「あたしって天然だねー」が口癖だったし、よくわからん奴だったしね
そういうわけのわからないところも魅力だと思っていたんだが、そのおかげで告別式中に、俺を浮気相手だったと思い込んだ元彼女の彼氏にナグられるという修羅場になったのだけは勘弁してほしかった
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勇午 インド編