妻との馴れ初めは俺の黒い怨念から始まる。
俺は理系の大学3年生で夏休みだった。
大学生の時は夏休みにいつも家庭教師の他にバイトをしていたが、
その年は時給のいい肉イ本労働系でなく駅前にある飲食系を選んでいだ。
次の年から始まる研究室生活を鑑みて、彼女いない暦=年齢を
何とかしたいと女性の多い職場を求めたからだ。
そこには大学と違い女の子がいた、しかも好みの!
仮にその子をA子と呼ぼう。
高校3年のA子は容姿がアイドル並のクオリティであり、
かつ性格がよくみんなに好かれていた。
しかし彼氏は居ないと公称していた。
で、それとなくデートに何度か誘ったが断られた。
職場には同じバイトなのだが平バイトを指導する立場のB男がいた。
B男は俺とは別大学2年のチャラい感じ男であった。
個人的には身長でも学歴でも勿論将来の収入も上であると断言できたが、
向こう方が俺より圧倒的にファッションセンスと対人スキルが上であった。
はっきり言えばモテモテなリア充だったのある。
で何度目かのA子にアプローチでOKを貰えて
待ち合わせに指定された喫茶店に行ったのだが、
居たのである、B男がA子の隣に座って!
B男の話は簡単であった、A子とは半年も付き合っている
それを知らないとは言わせない、もう自分の女だからこれ以上付きまとうな、
止めないようだとバイトをクビにするし警察にも訴える、だ。
肩を抱き寄せたA子にうっとりした表情で見つめられているB男は、
嘲りと哀れみが半々になった視線と薄ら笑いだった事を覚えている。
この恨み晴らさでおくべきか!
そうは思ったが二人の間には肉/体/関/係があるとしか思えないようなイチャツキを
見せられている状況は明らかに不利だ、負け犬としてすごすご引き下がる事にした。
話は展開する。8月も終わり近いある日、
俺がバイトを終え駅前コンビニに寄って漫画を読みながら、
ふと外を見るとB男が女子高生仮に(C子と呼ぶ)と一緒にいるではないか?
なにやらB男が驚いて居る様子やC子の不安げな表情をみると
バイトのシフト明けに彼女としてサプライズ出現したようだ。
さらにあたりを見渡すとC子と同じ制服の女子高生がいる。
この女子高生D子は、後に我が最愛の妻となる、C子の付き添いだったのである。
しばらく話し込んでいたB男とC子だったが、
話がまとまった様で一度D子とC子がアイコンタクトした後に
手を繋いでラ*ホテルが2、3ある駅の反対側に行った。
ここで3つの選択肢がある。
① リア充タヒねと言いつつ、見なかった事にする、
② 二人を追う、そして最後に
③ D子にコンタクトしてC子とB男の関係を調べる、である。
復讐に燃えていた俺に①はないが、
どうすればよりB男にダメージを与えられるだろうか?
と考える事なく、修羅場慣れしてないので③を採用した。
改札に入ろうとするD子に声を掛けた第一声は
「ちょっと待って、君の友達は騙されているかもしれない」
D子はきょとんとしていたが、友達思いだったのだろう。
初対面の俺に疑う事もせずに、ノコノコついてきた。
一杯200円もしなかったアイスコーヒーを奢りながら
俺はB男の悪口をある事ない事吹き込んだ。
自分でも最低だと思うが、A子への未練か?
次から次へと澱みなくB男が如何に職場で横暴で女たらしかを訴えた。
この時D子から得た情報は、その夏にC子はB男にナンパされて
彼氏彼女関係になっていて、「初めて」を捧げたと言うことだ。
聞けばまだ高1と言うではないか?こんな非道が許されるのか?
俺の怒りは、コカンのものと、ともに大いにこみ上げてきた。
結局、互いに連絡先を教えあってその日は別れた。
その4日後、俺のシフトではなかったが店で修羅場があったという。
A子に凸したC子は軽くあしらわれていたが、
その後出勤したB男に再度凸してA子を交えて大変だったらしい。
勿論C子を狂わせたのは、D子経由の俺の情報であったろう。
店ではA子B男に対する事情聴取があり、
未確認ではあるが、店に勤める女子大生と人妻とも関係があったと
いわれるB男は「風紀を乱した」との事で店を辞めざるを得なかった。
で、俺はといえばさすがに恐ろしくなってD子に連絡した。
D子はほぼ事実だったが、C子に告げ口しなければ良かった反省しながら
暗に俺の事を責めているようでもあった。
何となく不本意なのでC子に謝りたいと言って二人と会うことにした。
そこで傷付いたC子をD子とともに慰めて感謝され、
実直な青年としてD子、C子の信頼を得た。
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