電話を切ってから30分後、チャイムが鳴りました。
私は旦那と2人して玄関に行きました。
ドアを開けると、20代後半くらいの女性がすごい目つきでこっちを睨んでいました。
「あんたが奥さん??Aさんはどこよっ!!」
と、ドアを開けるとすぐに私に掴み掛かろうとしました。
すぐさま彼女は旦那に取り押さえられ、それでも
「Aさん出しなさいよっっ!!」
とわめいています。
私はきょとんとした顔をしていたと思います。
噛み付かんばかりの勢いの彼女に、私は
「その人がAなんだけど・・・」
と、旦那を指差しました。
彼女の動きが一瞬止まり、旦那を見ました。
旦那も
「オレがAだけど。あんた、誰?」
と言っています。
5秒間くらい彼女は固まっていました。
そして彼女はそれまでより更に目を吊り上げ、
「ふざけるのも大概にしてよ!そんな嘘付く前に、Aさん連れて来いって
言ってんのよ!」
とまたわめきはじめました。
誰かが旦那さんの名前勝手につかってたのかな?
それしか考えられないよね。
とりあえず彼女を落ち着かせ、旦那の免許証を見せて彼が本当にAである
事を証明する事にしました。
家の中に入れるのは恐かったので、全て玄関口での出来事です。
旦那が免許証を取りに行っている間、いつ彼女が襲い掛かって来るかと思うと
気が気じゃありませんでした。
結局、彼女の言っている「Aさん」と、うちの旦那は同姓同名の別人である事が
わかりました。
「別人だと分かったんだから、もう帰ってくれ」
と旦那が言いましたが、彼女はなかなか帰ろうとせず、「Aさん」と自分が
どれだけ愛し合っているか、延々と話しはじめました。
電波か・・・。
しかし、こうたくさん修羅場を読むと世の中には病んでる人が結構いるんだなあと
しみじみしちゃうね。
彼女は近くの駅前にあるスポーツクラ○のテニスコーチである「Aさん」と
お付き合いをしていたようです。
最近になって、段々連絡が来なくなり、心配になって連絡をしようと思ったが
連絡をしようにも連絡先が分からない。クラ○で会ってもそっけないので、
年賀状や暑中見舞いを出したが、何の反応も無い。仕方が無いので電話をした、
と言うのです。
電話番号や住所をどこで調べたのか?と聞くと、電話帳で調べたと言っていました。
電話帳に一人暮らしの住所って載せるのかな?とは思いましたが、突っ込んで
聞いた所で話がややこしくなりそうだったので聞きませんでした。
そっか・・・電話帳か・・・・。
それにしても同姓同名を疑わないとは
かなりの思い込みの激しさだね。
Aさんに同情しちゃう・・。
そして彼女は
「こうして出会えたのも何かのご縁ですから、『Aさん』に会って
なぜ最近私に連絡をくれないのか聞いてもらえないでしょうか?」
と、信じられない事を言いました。
さすがにこれには私も旦那も我慢ができず、
「そんな事は自分でやってくれ!関係無い者を巻き込むな!!」
とドアを閉めてしまいました。
こうして旦那の疑いは晴れたのですが、それからも彼女からの電話は続きました。
2日に1回は電話をかけてきて
「私はどうしたら良いんでしょうか?Aさんの住所なんかしりませんよね・・・」
と、毎回同じ事を言って来ます。
私はとうとう我慢ができなくなり、駅前のスポーツクラ○に行って
「Aさん」に会う事にしました。
まだ続くんか? 終わりかと思ってたYO!
土曜日に旦那と2人でスポーツクラ○に行き、「Aさん」に会いました。
「Aさん」は見るからにテニスコーチという感じの、さわやかな人でした。
彼にBの事を話すと、彼は「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝りました。
そして、Bとは付き合っている訳ではない、と言いました。
Bは「Aさん」の昔の教え子で、その時から何度も「Aさん」を食事や映画に
誘っていたそうです。が、「Aさん」はお客さんと個人的に付き合う気はなく、
一度もクラ○以外で会った事はなかったそうです。
Bの誘いは日に日にエスカレートしていき、辟易した「Aさん」は受付けに頼んで
Bを自分のクラスに入れないようにしたという事でした。
要するに、Bは「脳内恋愛」してたという訳です。
私達はその話を聞いてぞっとしました。
「Aさん」は今度Bに会ったらこれ以上私達に迷惑をかけないように言うと
約束してくれ、私達は安心して家に帰りました。
それ以来、Bから電話はありません。
どちらの話が本当かはわかりませんが、Bのあのイキ具合からして、やっぱり
Bが電波さんだったんだと思います・・・。
この夏のお話でした。
おわり。
そもそもその女はなぜ自分で
スポーツクラ○に行かないのか??
>>136
「自分で本人の所に行け!」
と何度も言いましたが、自分が行くと「Aさん」は逃げる、と行っていました。
相手にされてなかったようです。
暑いとこんなヤツも出るっていうことやなぁ~
ベタに迷惑なやっちゃで!
そりゃぁ逃げるわなぁ。
とんでる子ってほんとにいるんだね。
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