少し長いですが投下。
俺男(俺)22♂学生
元美 24♀社会人、俺男の彼女、クール系美人
池男 22♂俺男の学友、ジャニーズ系イケメン
D蔵 22♂俺男の学友、ちょっとDQN
コミヤさん 28?♂元美の会社のメガネ男子
妹子 17♀JK、俺男の妹、大人しい
付き合って2年の元美は、料理上手でさっぱりした性格の美人。
サークルのマドンナ的存在だった彼女が、なぜキモメン=フツメンの中間をさまよう俺男を選んでくれたのかは省くが、
俺男にとって元美は目に入れても痛くないほど愛しくてたまらない存在だった。
あまり面食いなほうではないが、元美は10人中9人は「美人」と認めるであろう整った顔立ちで、
夜のほうも、工口ゲで寂しさを紛らわせてきた俺男にとっては少々指激が強すぎるほどの手練れだった…
元美の魅力はもちろんそれだけではないが、
「男を狂わせる女」とは元美のような女性のことをいうのだろうと思う。
現に、俺男も元美に狂っていたわけで。
元美が大学を卒業して社会に出てからも、俺男の気持ちは衰えるどころか心配が増えた分強くなる一方だった。
そんなある日のこと、数年来の友人である池男が、真夜中に興奮した様子で電話をかけてきた。
眠い目をこすりながら話を聞くと、
どうやら元美とメガネの男が手を繋いでラ○ホに入っていった、ということらしい。
『俺もたまたま彼女と歩いてたんだけど、すぐ目の前の通りを横切って男とホテルに入って行った。
彼女も見たから、元美さんで間違いないと思う』
俺と元美と池男と池男彼女は同じ大学のテニスサークルだったので、人違いということはまずありえない。
俺男はひとまず、元美が男と入って行ったというホテルの前で張り込むことにした。
池男にその旨を告げると、池男も彼女を送った後に一緒に現場に来てくれるという。
急いで身支度を済ませ、池男のアパートまで車を飛ばした。
元美が社会に出てからというもの、同じ大学で顔を合わせていたころよりも当然連絡は減り、
美人な元美に対する尽きない不安と嫉妬で毎日頭がいっぱいだった。
このときは元美への信頼よりも、そんな醜い感情に突き動かされてしまっていたんだと思う。
池男のアパートに到着すると、彼女を家まで送り届けた池男が既に外で待っていてくれた。
その夜はものすごく寒かったが、俺の車に乗り込むや否や「大丈夫か?」と気遣って
くれた池男。あの時ほど、友達の温かさを感じたことはない…。
ちなみに池男とは今でも親友だ。
ホテルまでの道すがら池男から改めて状況を聞き、混乱した頭を整理しているうちに現場につく。
その建物を目の前にして、俺男は元美の浮気を確信した。
そこは元美といつも利用していたホテルだった。
愕然とする俺男。池男は初め、「まだ浮気かどうかはわからない」と俺男を励ましてくれていたが、
そのうちに驚くべき事実を話はじめた。
『実は今まで黙ってたが、俺元美さんに迫られたことがあるんだ』
紫○thx!
それは1年と少し前のことだったという。
池男の携帯に元美から『俺男のことで相談があるので、話を聞いてほしい』
というようなメールが入り、元美と二人で居シ酉屋へ行った。
相談内容はセッ●スのことで、俺男のセッ●スが物足りない、
このままでは浮気してしまうかもしれないというようなものだったらしい。
池男は先輩で友達の彼女である元美の、
すんなりとは聞きにくいその相談内容の対応に困り、違和感を覚えたという。
池男は当たり障りのないアドバイスをして早めに引き上げようとしたが、
元美が突然「体調が悪い」と言い出したため、やむなくタクシーを拾い家まで送ることにした。
玄関まで元美を連れて行き、帰ろうとすると、
『帰らないでほしい。セッ●スしてほしい』と元美に懇願された。
池男は一瞬心が揺れたらしい(まぁ男なら当然だと思う)が、
当時池男は池男彼女と付き合ったばかりの幸せな時期だったこともあり、なにもしないで帰った。
そして、池男の告白はそれだけでは終わらなかった・・・orz
翌日、昨夜のことを俺男に言うべきかどうか思いつめた池男は、サークル仲間のD蔵に事の顛末を相談した。
D蔵は少々DQNで女方面は少しだらしないが、基本的には良いやつで信頼できる友人だった。
俺男とも割と仲が良かったが、なぜかある時期から除々に避けられるようになり、
今ではすっかり疎遠になってしまっていたため、池男の口からD蔵の名前が出てきたときは少し懐かしい感じがした。
D蔵も同じサークルに所属しているため、当然元美のことは知っている。
そして池男はD蔵から驚くべき話を聞かされたという。
なんと、D蔵も池男と全く同じように元美から呼び出され、セッ●スの相談を持ちかけられていた。
しかもD蔵は、元美の部屋で元美とセッ●スをしたという。
『黙っててごめん。あの時の俺男は元美さんがいないと生きていけないように見えた。
だから俺男に言うより、なかったことにしたほうがいいんじゃないかと思った。本当にごめん。』
『D蔵は、俺男に合わせる顔がない、と後悔して俺男を避けていた。
D蔵や俺があの時俺男に事実を伝えていれば、俺男は今よりは辛くなかったかもしれない。本当にすまない。』
と池男は涙を滲ませながら俺男に何度も謝ってきた。
俺男は、その時は何も言えなかった。
池男やD蔵に対する怒りなんてものはなく、ただ元美に対するやり場のない暗い感情が涙となってこぼれる
だけだった。元美の笑顔や温もりを愛していた分だけ、それが憎しみにかわって行くような気がした。
池男は無言で涙を流す俺男の背中を長いことさすっていてくれた(数時間はあったと思う)
その時、池男がふいに『あ!あれ元美さんじゃ…』と呟いた。
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