何度かのフラッシュの後店長が部屋の中へ入りました。
「誰や!」「キャアー」とB男とC香の声が響きます。
私と友人は打ち合わせの通り、二人の衣類を下着も含めて拾い集めると
友人が持ってきていた袋に詰め込みます。布団もリビングに放り出します。
その間もB男の怒号とC香の悲鳴が聞こえましたが、
目の前の作業に追われてどういう状態だったのか確認出来ませんでした。
1分もかからなかったと思いますが、作業が終わり改めてベッドを見ると
全ネ果のB男とC香がベッドの上に並んでヘタリこんでいました。
二人共事態が飲み込めて来たのかB男は怯え、C香は泣いていました。
再び友人が写真を何枚か撮ります。ここまで突入組三人は一言も発していません。
私的には言葉が出なかったというのが正直な所でしたが。
私は全ネ果で怯えるB男を見て憐れみを感じましたが何か他人事のような夢の中のような感じでした。
覚悟の上での現場突入とはいえ、現実感が消し飛んでしまったのかもしれません。
店長は仁王立ちで二人を睨みつけたままでした。
店長が「C香こっちへ来い」とネ果のまま和室へ連れて行きました。
二人きりで事の経緯を聞き出す為です。
B男はそのまま寝室へ置いておきドアを閉め私と友人はリビングで待ちました。
友人が「大丈夫?帰ってもいいよ」と言いましたが私は最後まで見届けるつもりでした。
和室からは金切り声が聞こえていましたが、暫くして店長が出てきました。
「A子ちゃん、行くぞ」と店長が言い二人でB男のいる寝室へ入ります。
B男はベッドの端に座りC香の服を腰に巻いていました。
店長が剥ぎ取り静かに「どういう事か話して」とだけ言います。
もちろん録音開始です。
B男は「違います、違います、向こうから誘ってきたんです」と語り始めました。
要約すると飲み会でくつろいでる時にC香から遊びに行こうと誘われ
遊びに行ったその日に関係を持つようになったそうです。
その後定期的に誘われ昼間関係していたと話しました。
ここまで聞き出すのにC香と同じく30分ぐらいかかりましたが。
店長はリビングに出ろとB男に促し、
和室からもC香を呼び出して二人並んでソファーに座らせました。
B男は全ネ果、C香はシーツのようなものを身に巻いています。
店長は「どっちかが嘘を言っている。嘘ついてたらどうなるか分かってるな」
この時点で私の知ってる温厚な店長とは別人の鬼でした。
B男とC香はそれぞれどんな証言をしたか知りません。
どちらも固まったまま沈黙しています。店長は再び二人を部屋に戻しました。
「C香はB男に強引に迫られて関係を持った後、脅されていたと話した。
到底信じられない話しだが、明かに証言が違う。
今から二人の親を呼ぶけど、A子ちゃんどうする?
帰ったほうがいいんじゃない?」
と優しく言ってくれました。私は気まずかったんですが残る事にしました。
最後まで成り行きを見ておきたかったんです。
店長が二人の実家に連絡を入れました。
C香の実家は近かったので母親がすぐに到着。この時点で既に5時ぐらい。
C香の母親が到着しても店長はC香に会わせず、事の成り行きを説明していました。
C香の母親は泣きながら土下座していました。
B男の両親が6時前に到着し再び店長が説明。
B男両親の店長に放った「息子に手を出しやがってどうすんだ貴様」
という発言を店長は華麗にスルー。質問にも一切答えず。
7時前にC香父親到着。
5時から7時までの時間が長かったです。気まずさ爆発というか話題もないし
部屋からはB男とC香の「帰れ」という罵声が響いてました。
店長はC香にもB男にも部屋から出る事を許しませんでした。
C香の父親に三度目の説明が終わると二人に部屋を出るように促します。
B男はドアを開け顔だけ出して「着てたの返してください」と言うと
B男両親も状況が分かったのか「ネ果なんですか!」と詰め寄ります。
店長は両親を無視し「さっさと出てこい!」と一喝。ここで始めて大きな声を出しました。
B男が再びC香の服を腰に巻いて登場すると「人の家の物で何してんだ!」と再度一喝。
B男の腰の物を剥ぎ取ると床に正座させました。
C香はそのドナり声を聞いて怖くなったのかシーツを巻いたまま登場しB男の隣りに正座。
役者が揃った所で録音した証言を再生しました。
両者の証言の食い違いに一同驚き、お互いの両親が小競り合い。
しばらくそれが続いた後店長が
「僕は妻の証言を信じる。脅されてたのならK察に被害届を出す。いいですね?」
とB男とC香に言いました。
B男は真っ向から否定。C香は下を向いたまま。
こうやって二人に揺さぶりをかけ続けた事と両親への手前もあってか少しづつ真相を話し始めました。
全部聞き終ったのが22時。長かった。
真相を纏めると
始めC香は別のバイトの人(D太郎)と付き合っていた。
ある自宅での飲み会の日、酔いつぶれた店長が寝入った後、
D太郎とC香はB男を誘って三人で行為(3Pってやつです)に及んだ。
それをきっかけに暫くは三人で会っていたが次第にB男のほうがメインになってしまった。
これが2ヶ月前。
以降本格的に逢い引きを重ねるようになってしまった。
もう一人出てきた事に店長も顔を真っ赤にして震えていました。
C香の親も泣いていました。
私も泣きました。悔しかった。裏切られていた。B男に抱かれた体が汚いような気がしました。
全てを聞き終え、店長はB男に「後で慰謝料を請求するから帰っていいと言いました」
B男両親はしきりに慰謝料の額を気にしていましたが
店長がさっさとB男に服を返すと帰させました。
B男が帰って暫くすると私を別の部屋に呼び出し
「A子ちゃん、今日はごめんね。辛かったろう?
ここからは僕とC香の問題だから今日は帰って欲しい。
D太郎の件もこれから調べる。
僕も混乱してるからまた後日報告するよ。」
と言われたので友人と共に家を出ました。
突入してからここまで私は殆ど発言しなかったし、役に立ちませんでしたが
こんな状況でも私に気を遣ってくれた店長に感謝です。
B男についてはこの時点で気持ちも何もありませんでした。
こんな男と付き合ってた2年間が情けなく思いました。
(後日暫く思い出しては泣きましたが)
この日の話し合いの最中にB男から一切私への謝罪はなく、
むしろ店長とグルになって調べてた裏切り者といった感じでした。
B男両親も私と面識があったにも拘わらず一切無視でしたし。
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