投下します。高校生の時の話。全員高2。長くなります。
私子 語り手の私。女。地味眼鏡。漫研部と放送部を兼部してた。
彼男 丸顔。男。部活二つともいっしょ。
友子 小柄。女。放送部で一緒。
羊君 眼鏡で草食系。男。文芸部。
私子は彼男と一年半くらいの付き合い。部活は二人とも漫研がメイン。
私子はよく言えば情に振り回されやすいタイプ。彼男は女関係だらしない優柔不断タイプ。
友子は放送部に途中入部して私、彼男と友達になって、漫研にも時々くるようになった。
メンヘラチックで、「私サバサバ系!でも実は弱いところもあるの……(うるうる」みたいなタイプ。
羊君は、当時部室が足りなくて同じ部屋を共有していた文芸部の部員。
うちも文芸部も部誌出さない時期は暇だから一緒にUNOとかやってた。いわゆる優しすぎる巻き込まれ体質。
高2の冬、修学旅行があった。
その時すでに友子とはかなり仲がよくて、クラス違ったのに風呂も一緒に入った。
ただ、旅行中なんか彼男の態度がずーっとおかしくて、変だなとは思ってた。
ていうか、薄々感づいてはいたものの、やっぱり認めたくなかった。
で、旅行から帰ってきて初めての登校日。いつも通り私が彼男を駅まで送る。(当時彼男電車通学、私は駅の近くに住んでたから徒歩通)
部活終わって、帰り道に旅行中コッソリ買ったおそろいのストラップを渡した。
「ありがとう」と言いつつもなんか暗い表情の彼男。
んで、いよいよ駅ですね、ぐらいのところで彼男が言い出した。
「こんなの貰っといて悪いけど……別れてほしい」
私ポカーン。いやいや貰う前に言えよ。てか返せよ。
「は?どういうこと?」
「……好きな人ができた」
ここで完全にピンと来る私。多分すごい顔してたと思う。
「もしかしてそれ、友子じゃないの?」
「……ごめん」
「友子だったら許さない」
結局電車来て、彼男は私にごめんごめん謝りながら改札の向こうに消えていった。
その夜はメールラッシュ。彼男と友子からの謝罪だらけ。聞きたくなくて結局電源切って寝た。
はっきり言って、どちらもかなり信用してたから、裏切られてかなりショックだった。
寝ないで考えた。考えた結果、私はタヒぬほど馬鹿な結論を出した。
次の日の放課後。彼男と別れた。友子と仲良くね!とか言っちゃった気がする。
友子にも、こんなことになっちゃったけど友達でいようね的なことを言った気がする。
私は当時すごくお馬鹿さんで、しかも二人供がすごく好きだったので
自分は大人しく身を引いて、二人を祝福しようと思った。
……今だったら二人ともその場でひっぱたいて絶縁するんだけどなぁ
それから友子と彼男は付き合いだした。私は出来るだけ二人を視界に入れないように生活。
さすがに友子も漫研の方に顔出すようなマネはしなかったのでそこは助かった。
が、二週間後ぐらいに友子と彼男がすごく深刻そうな顔で話し合ってるのを目撃。
まあいいや私関係ないしーとその日はスルー。
そしたらしばらくして友子から電話かかってきた。
「あのさ、私彼男君と別れたんだ」
「へ?」
私混乱。いやいや突然なんだよ。てか電話でする話じゃねえよ。
「彼男君、私と居ても私子の話ばっかりするんだ。で、私子と私どっちが大事なの、って聞いたらわからないって」
「は、はあ……」
「だから言ったの。彼男君は私子の方が大事なんだよって。私子のところに帰りなよって」
今の私なら、ドラマか、ぐらいのツッコミは出来たと思うんだが、当時はとても混乱した。
次の日、彼男に全く同じ内容の話を聞かされ、話し合い。
またしても私はタヒぬほど馬鹿だったので、彼男を許してしまい、また付き合うことになった。
しかし、元通り付き合いだしたものの、彼男の態度も友子の態度も変だった。
友子はやたらと漫研に現れるようになり、しかも彼男とベタベタ。
彼男もそれを止める様子なし。さすがにイライラした。
イライラはそのうち不安になって、私はとうとう彼男に直訴した。
「友子にベタベタするのやめてって言ってくれない?やっぱりあれは、彼女として見てて気分悪い」
ここで彼男から目玉ポーンの発言が飛び出す。
「お前さ、それくらい我慢しろよ。お前は彼女で友子よりちょっといい思いしてるんだからさ」
私またしてもポカーン。何の話だよ、何の。
「友子だって俺の事好きなんだから。お前は贅沢言い過ぎ」
流石に無言になった。わけがわからないよ。正妻は二号さんに気を遣えと?みたいな訳のわからない言葉が一瞬浮かんだ。
それでも嫌なものは嫌だ、一体彼男は私と友子とどっちが好きなのと迫るとまた驚愕の発言。
「お前のこと愛してるのはホントだけど、友子のこと捨てるって言ったらなんかちがうし……わからん。どっちを彼女にするかもこれから考える」
今思えばあの時点でぶっこr……とまではいかなくても、絶縁してやればよかったと心から反省している。
聞けばその時、友子は自分から別れたハズの彼男に「やっぱり好き!」とアタック。
私子がいるのは知ってる、でも彼男の傍にいたいの!傍にいられるだけでいいの!……とか言ってたそうで。
優柔不断下半身ユルユルの彼男は結局友子とも付き合いを再開。
彼男は友子に、やっぱり友子の方が好きだ、私子とは別れる、と言っていたそう。
(その事実を私は後述の話し合い前に友子から聞かされた)
でも、私に対してはっきり別れると言わない彼男。そして第二の事件が起こる。
第四の登場人物、そう、羊君の登場である。
どうやら友子は一連の話をずっと羊君に相談していたらしい。
羊君はとても優しい草食系なので、いちいち友子の話を聞いてあげていたようだ。
優しい羊君に惚れはじめる友子。同時に、傷ついた友子への同情がちょっとずつ愛情に変わってしまった羊君。
……メンヘラってなんであんなに人を惹きつけるのがうまいんですかね?
そこへ来て、彼男は一向に私と手を切らない。これは二股だ!
業を煮やした友子は何を考えたか、当事者を全員呼び出した。
話し合い開幕前に一悶着。貰った指輪を私が彼男に投げつけ、ナグりかかるが羊君と彼男に取り押さえられる。全員が車座に座ったところで話し合い開始。
友子は開口一番
「別れる別れるって言ってたのに全然別れない彼男君が一切信用できなくなった。今は私、羊君の方が好きだから」
ここで彼男が「やめてくれ」とか悲鳴あげてた気がする。茶番乙。
羊君はどうなの、と私が話を振ると、普段はホントに羊みたいな穏やかーな笑顔しか浮かべていない羊君が、ひどく神妙な顔で
「まだはっきりはわからない。でも僕も、友子ちゃんが好きなんだと思う」
と一言。重っ苦しい沈黙が流れる。
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