父が呼んだのか、病院が呼んだのか手当が終わるとK察に事情を聞かれた
となりでは父が全て正直に話せ、と優しく諭してくれた
みっともないが俺は父がいる安心感で泣きながらK察に全て話した
話が終わると俺を事情聴取していた警官が
辛いことをすまなかった、でも君のお母さんはさっき自首してきたそうだ
お母さんも悪いと感じているんだ、お母さんを恨んではいけない
というようなことを言われた
父と相談して俺は被害届は出さなかった
K察も家族喧嘩と処理すると言ってくれて母親は牢屋に入ることにはならなかった
その数日後に浮気した男があの上司と改めて謝罪に来た
上司は男を首にしますか?と聞いてきたが俺と父はもうどうでもいい、と答えた
浮気男と上司は、寛大なお心に感謝します、と言い
男は泣いて土下座していた
上司は、いくら寛大に許していただけても会社としてはそうはいかない
部署を移動してタヒぬ気で働いてお詫びしなさい
と金の入ってるであろう包を父に渡した
おそらく数百万は入ってたと思う
父は断ったが、その上司がなんとしてでも受け取ってくれ、と父は押し切られた
浮気男が働いて会社に返すということだったので父も受け取った
それから数ヵ月、俺は大学に合格した
父とささやかな食事会をした、個室の料理屋だった
食事が進み半分位出た時だっただろうか、やおら父がスマンと俺に謝った
そして戸が開くと母が入ってきた
母はやせ細っていて泣いていた
そんな母を見たら俺は食べたものを吐いてしまった
母は泣いてごめんなさいごめんなさいと喚きながら逃げてしまった
食事会はそこで終了し、家に帰ると父は再度俺に謝り倒した
騙すようなことをしてすまない、どうしてもアレがお前に一言謝りたいと
言ってきたから良かれと思ってやったがお前を苦しめた、と
それから数年後、母方の祖母から母がタヒんだと連絡があった
俺は悲しくなかった、でもこれでやっと終わったと思った
そして父と飲みに行った、父はやはり泣いていた
祖母からは娘がひどいことをしたという詫び状と、葬儀への出席は
やめてくれていう旨の手紙が来た
その後俺も結婚し、子供も出来た
そして3年前に父がタヒんだ
最後まで痛いと一言も言わずに末期ガンだった
強い男だった
父の遺品を整理していて、父のネクタイを入れている箱の中に
俺へ、と書かれた箱が入っていた
そこにはあの時浮気男から受け取ったであろう金が入った通帳と
俺への手紙、そしてもう一通の通帳と母からの手紙が入っていた
父の手紙には、俺は母を許すことができなかった、お前にとっても母がいたほうがよかっただろう
情けない父親ですまない、というようなことが書いてあり
通帳は母から振り込まれ続けていたものであり、母がタヒぬ間際に
お前に送ってきた手紙も入れておくとのことだった
母からの手紙は懺悔の手紙だった
父と俺、そして一人の若い男の人生を狂わせてしまってすまない、と
だが、その手紙の最後に、浮気男に申し訳ないと伝えてくれと書かれていて
俺は怒りを感じてその手紙を燃やした
もうタヒんでしまったが最後まで浮気男を気にし、それを
俺に投げてくるその精神が信じられなかった
後日聞いた話だが母は狂っていたらしい
もうすぐ父の命日がやって来る
手に残る傷をみてつい思い出したので長々と書いてしまった
親友たちはこのことを知っているが、大学以降知り合った人にはこの話はしていない
でも何故か吐き出したくなったので長々と書いてしまった
縁もゆかりもない皆さんに不快な思いをさせて申し訳ないと思う
でも、浮気はやめておいたほうがいい
一時の気の迷いが家庭も本人も他人すらにも一生消えない傷を作る
親がいなくても立派な人間はたくさんいる
物心つくまで両親が揃っていたが
俺は母親を許せない心がカタワな人間になってしまった
せめて子供たちは真っ当に育てたいとおもってる
それでは失礼
コメント
小学校の道徳の教科書にでも載せよう
いや保健体育か?
女子必修な
親ガチャでハズレ引いたな
うん。母親がひどいね。こんな女珍しいくらいなクソ。普通はこんなひどい女いないから高確率なハズレくじ。でも父親がそんな女に惚れて結婚したんだよね。そして愛し合った結果生まれたのが報告者だ。一番悪いのはそんな女を好きになり結婚した父親なんだよ。結婚は同じレベルの人間同士でしか成立しないから、父親も母と似たり寄ったりなレベルだったんじゃない
昔の東海テレビ(フジテレビ系)の昼ドラのネタになりそうな内容で・・・