むかーし私をいじめにいじめてくれた女の子供がなくなった。
なのでお葬式に行った。
香典も包んだ。
女と目があったんで会釈しといた。
さすがに女もやつれてたし、女の旦那も疲れた顔してた。
下の子供はあまりよく分かってなかった風で、その子とも目があったのでニコっとしといた。
その○年前に女の取り巻きの家が火事になって家人がなくなったときもお葬式に行ってた。
どっちでも別に変なことはしていない。
他の人のお葬式と同じようにしただけ。
まあ心の中まではそうはいかなかったけど。
いじめで鍛えられたポーカーフェイスで笑ったりはしなかった。
というかタヒんだ子供の遺影見たら笑う気分にもならなかった。
そしたら主犯の女の取り巻きどもから過去のいじめの謝罪の手紙が届きはじめた。
ほとんどはたいした事は書かれてなかったけど。
「いじめてごめん」
とか。小学生か。
一人だけまともな内容の長文で送ってきてて、それによると
・葬式に来たことで子供がタヒんだことや火事が私の呪いじゃないかって話が出てる。
・主犯の女は錯乱してて下の子供も呪われるんじゃないかって言ってる。
・女の旦那はいじめの件で呆れ、女は落ち着くまで実家に返された。
・他の取り巻きどもは呪いは半信半疑だが、私が何かやらかさないかと思ってる。
・手紙の主は天涯孤独だが他の取り巻きどもは皆結婚し、子供がいたりローンで家を買って失うものがある。
・許してもらえるとは思わないが、手紙の主もいじめに参加していたのは確かで申し訳ないと思ってる。
といったような内容だった。
手紙の主は取り巻きの一人ではあったけど、いじめには消極的な人だった。
そもそも私が恨んでるのは主犯の女だけで、実際取り巻きどもはどうでもよかった。
取り巻きの火事の時にお葬式に行ったのは予行演習みたいなもの。
女に不幸があったときに出向いて、いじめのこと暴露して因果応報だって嘲笑ってやろうと思ってた。
まあ雰囲気とか遺影とか見てたら出来なかったけど。
どっちもたまたまお葬式の前に知ったから行っただけだった。
私はお葬式と手紙の一件で憑き物が落ちたみたいで、遅ればせながら恋愛とか人生とか考えるようになって、その後結婚して夫の転勤について行って引っ越した。
守るものが出来ると途端に不安になったから、誰にも行き先を知らせなかった。
手紙の主とはメールでだけたまにやり取りしてるけど、主犯の女は結局離婚したらしい。
下の子は女の旦那が引き取ったそうだ。
事実か確かめたわけじゃないけど、仮に女が幸せでももう何かする気もないので
「そうなんだー」
って返して済ませた。
コメント