やっと気持ちが落ち着いてきたので書いていく
彼女と出会ったのは今年の4月。
PTAの役員同士としてだった。俺も彼女も社交的な性格で歳も近かったこともあってすぐに仲良くなりよく話すようになった。
とはいえ、あくまで役員同士という関係でそれ以外では会うことも話したり電話したりということも一切なかった。
状況が変わったのは5月に入ってからPTAの懇親会が開かれた時だった。
この時はおシ酉も飲める席だったので彼女は少しで飲んでいたようだった。
俺はもともと飲めない体質なので遠慮していたんだけど。
しばらくすると彼女が俺の横にやってきて色々話した。おシ酉が入って陽気になっていて普段は話さないようなプライベートな話も出たりした。
そんな中で、お互いの伴侶についての話になった。
彼女「あなたの奥さんはどんな人なの?」
俺「うーん。おとなしくて真面目な人かな」
彼女「へー。そうなんだ」
俺「君の旦那さんは?」
彼女「うちの旦那さんはねー。すっごく仕事がんばってて、一途で、すごく私を愛してくれる人だよ」
俺「へー。いいねぇ。ラブラブなんだね」
そんな会話だった。
やがて2時間が過ぎて懇親会がお開きになり、車で来ていた俺は彼女を自宅まで送ることになった。
帰りの車の中でも俺たちは楽しく話をしていたんだけど彼女が突然こんなことを話し出した。
彼女「さっきさ、うちの旦那さんの話をしたでしょ?」
俺「うん。すごく愛してくれてるんだよね」
彼女「うん。そうなんだけどね…」
俺「ん?」
彼女「愛してくれるんだけどね。一度怒り出すと手がつけられない人なの」
彼女の悲しそうな声と表情を見た俺はすぐに何かを察した。
俺「どういうこと?まさかボ.ウ.力ふるわれてるの?」
彼女「うん…いや、でも時々だよ。機嫌が悪い時だけ。普段はほんと仕事がんばってるし優しくもしてくれるんだよ」
俺「ほんとに時々?大丈夫なの?相談にのるよ!」
彼女「うん。ありがと。でも大丈夫だよ。変なこと言ってごめんね。ちょっと飲みすぎたかなw」
この時はこれ以上、踏み込んだことも聞けなくてやがて彼女の自宅近くにきたところで、ここでいいよ。と言われて車をとめた。
俺「家はまだ先でしょ?」
彼女「うん。でもここでいいよ。旦那さんが見るとヤキモチ焼いちゃうからw送ってくれてありがと!」
そう言って彼女は小走りに自宅へ帰っていった。
俺も予定の帰宅時間より遅くなっていたのですぐに自分の自宅へ引きかえした。
それからも個人的に連絡をとったりすることはなかったんだけど2週間くらい過ぎた頃に彼女からLINEが届いた。
内容は旦那が暴れて怖くなって家出した、という内容だった。
彼女の居場所を確認すると近所だったので他人に誤解されないよう知り合いに会うことのない場所へ移動するように指示してから俺も向かった。
待ち合わせ場所につくと彼女は車の中でうつむいたままだった。
俺は彼女の車の横に車をつけてからこっちに来るよう合図した。
車に乗り込んできた彼女を確認するとナ.グ.られたような跡はなかったからひとまず安心した。
詳しく聞くと、ボ.ウ.力といっても彼女を突き飛ばしたりすることはあるが、ほとんどは家の中の物を破壊したり暴.言.を浴びせたりする行為らしい。しかし、その暴れっぷりが尋常ではないらしい。
書き忘れていたけど彼女には2人の小学生の子供がいる。俺にも3人の小学生の子供がいる。
彼女の子供たちは実家にお泊まりに行っていていないらしい。そして、旦那が暴れるのは子供たちがいないときが多いらしかった。
なぜ旦那が暴れるのか理由を聞くと金を渡す、渡さない、の揉め事がエスカレートして暴れる、ということだった。
旦那が金を欲しがる理由はギ○ンブルで、それなりの仕事をして稼ぎは同じ世代でも多い方だがそれ以上に使い込むから家計は苦しいらしかった。
ギ○ンブルもエスカレートして頻繁に金を求めるから必然的に彼女は拒否するし、そうなると暴れるのことも多くなり逃げるようにして家を出たとのことだった。
家出自体はそれが初めてではなくて以前にも何回かしているのだが子供たちを放っておくわけにもいかず結局、旦那が寝静まる夜中を待ってから家に戻っていたようだ。
俺は離婚を勧めたが子供たちのことを考えるとできない、と言われた。暴れる時以外は優しくもしてくれるし愛されているとも感じる、子供たちもなついているから離婚は考えたくない。しかし最近、暴れることが多くなってそれだけは耐えられない。とのことだった。
今回も怖くなって家出したが行く当てもなく一人で考え込んでいたときに俺のことをふっと思い出してつい、連絡してしまったらしい。
俺は買い物だと言って家を出ていたので、長く家を空けることもできず、一緒にいてあげたかったが彼女が落ち着くまでなぐさめながら待ってから、何かあれば力になる、困ったときはいつでも連絡していいから一人で抱え込まないように、と伝えてから家に戻った。
翌日、彼女から家に戻ったこと、旦那はすでに落ち着いていて大丈夫だったこと、急に連絡して迷惑かけてごめんね。というLINEが届いた。
俺は気にしないでいい、いつでも連絡していいから。と返した。
そしてその夜、また彼女からLINEが届いた。
昨日は急に出かけて奥さんに変に疑われたりしなかった?という内容だった。
俺は悩んだ末に正直に打ち明けることにした。
実は俺の家庭もうまくいってなくて仮面夫婦状態だということ。
俺は嫁の実家でマスオさんになっているんだが嫁は両親を前に俺が強く出られないのをいいことにワガママ三昧で、会話は連絡事項のみ、買い物なども別行動で、夜の夫婦生活も4年以上ない状態だった。
そんな状態だから気にしなくていい、何も言われてないよ。と伝えた。
彼女は「そっか。あなたも色々大変なんだね…じゃあ。これからは私がいつも、おかえりやお疲れ様を言ってあげるよ!」と言ってくれた。
それからは毎日、朝から「おはよう、今日もがんばってね!」とか「帰りは何時頃になるの?」「おかえり!今日も1日お疲れさま」とかLINEのやり取りを交わすようになった。
お互いに何かあった時には電話することもあった。
そんな関係になって、ひと月ほど経ってから彼女はまた旦那のボ.ウ.力から逃げて家出した。
俺はすぐに彼女の元へ向かった。
彼女は泣きながら俺にしがみついてきた。
俺は何も言わずただ抱きしめていたけど彼女が泣きやんで顔を上げた時、どちらからともなくキ.ス.をした。
お互いに寂しかったんだと思う。
そして、辛かった。
添い遂げると決めて結婚した相手に傷つけられたこと。誰にも相談できずに悩み続けていたこと。
似たような悩みを持つ者同士が出会って支えあう関係になったことで本当に救われていた。
それからは時々、お互いに時間が合う時には会いにいくようになった。
とはいえ、俺はともかく彼女はよその男と会っていることがバレたら旦那に何をされるか分からないから細心の注意を払った。
それにPTAで知り合ったくらいだからお互いに共通の友人や知り合いも多いわけで2人で会っていることが噂になればマズイことになる。
だから会っても毎回、10分とか長くても30分程度だった。
その短い時間に俺たちは抱きしめあってキ.ス.をした。
俺は誰かに抱きしめられることすらなんて何年もなかったから彼女に抱きしめられることで本当に癒されたし、自分なんて存在はもうただ、父親としてあるだけで俺という存在自体はどうでもいいんだと思っていたのを救われた気がした。
彼女がいることで俺という存在が認められたようで自分を好きになれた。
そのことを彼女に言うと彼女も「私も同じだよ」と言っていた。
彼女もまた、旦那に苦しめられて自分という存在を否定されていたんだと思った。
だけど、お互いに惹かれ合うほどに今度は違う悩みが頭の中を支配するようになった。
俺も彼女も家庭がある。
子供もいる。
ハタから見ればこの関係は不倫以外の何物でもない。
正直、何もかも捨てて彼女と一緒になりたいと思うこともあった。
息苦しい家で自分を押しころして暮らしていくよりも自分を分かってくれる、自分が自分らしくいられる場所で暮らしたいと願う自分がいた。
しかし仕事から帰ると、おかえりー!と笑顔で飛んでくる子供達やその寝顔を見ていると、やっぱりこの子たちを置いて出て行くことはできないと思った。
俺たちはすでに何でも話し合える仲になっていたからそのことも正直に話した。
彼女も気持ちは同じだった。
「あなたのことを好きだけど、子供たちには優しい旦那だしやっぱり子供のことを考えると夫婦揃っているほうがいいから…離婚はしないと思う」
「わかってるよ。」
そんな会話が増えた。
いつまでもこんな関係をズルズルと続けるわけにはいかなかった。
お互いに気持ちは高まっていたし10分なんて短い時間じゃなくて無理してでももっと会いたい、長く一緒にいたい、という気持ちも出始めていた。
「もう、終わりにしなくちゃ。」
そんなことも話すようになっていた。
それからまた、ひと月ほど経ったころ偶然お互いにゆっくりと時間がとれる日がきた。
と言っても3時間ほどだけど普段10分とかしか会えない俺たちにとっては夢のようだった。
俺たちは約束した場所で落ち合い、車の中で「こんなに長く一緒にいられるなんて夢のようだね」と抱きしめあった。
何度もキ.ス.をして、とうとう一線を超えてしまった。
本当に夢のような幸せな時間だった。
狭い車の中で俺たちは愛し合った。
終わってからも抱きしめあって何度もキ.ス.をして過ごした。
やがて、時間がきてお互いに家に戻った。
帰宅してしばらくすると彼女からLINEが届いた。
「今日はありがとう」「楽しかったね」そんなやり取りを少しした後で彼女が切りだした。
「もう、会うのはやめようね」
なんとなく覚悟していたから、とうとうこの時が来たか、という感じだった。
一字一句、覚えてる。
「やっぱりこれ以上、この関係をつづけていくことはできないよ。
会えば会うほど苦しくなるから。もっと一緒にいたいって思ってしまうから。
でも、それはできないの。
だからもう、会うのはやめやうね。
私も子供達のために家庭を守っていくからあなたも子供達のためにがんばって!
会えないけど辛いときはいつでも話を聞くよ。
だから大丈夫。
最後に。
自分の気持ちを抑えるために、あんまり好きだよって言ってあげられなくてごめんね。
でも最後だから言うよ。
愛してる。あなたのこと本当に大好きだよ。
あなたのおかげで私、自分のことを好きになれた。
あなたのおかげで、もう一度がんばろうって思えたよ。
今まで本当にありがとう。」
こうして俺たちの不倫は終わった。
その日、俺は喪失感に苛まれて一晩中、眠れなかったけど時間は待ってくれないし仕事にも行かなくちゃいけない。
そんな感じで仕事や育児に追われて暮らしているうちに気持ちも落ち着いてきた。
今も俺は息苦しい家で自分を押しころしながら子供たちのために暮らしてる。
自分のむねのうちにそっとしまっておいても良かったんだけど、時間ができてぼんやり過ごしていたら彼女のことを思い出したので誰かに聞いて欲しくなって思い出しながらまとめて書き込みました
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気持ち悪い