2019/08/21
2021/07/25 再掲載
夏もそろそろ終わりですが、納涼テイストの修羅場をひとつ…。
大学のサークルで仲良くなった私子と彼男。
同い年だし、お互いに東京で一人暮らしだったのですが
なんと地元が一緒。 ←地元での面識はなし。
二年ほど交際したものの、彼男の浮気が発覚して別れました。
サークルも辞め、やがて卒業して就職。
お互いの就職先も知らないまま、社会人になって二年目の…去年の夏のことです。
夏期休暇で地元へ帰省した私は、久々に高校時代の友人達と会い
居シ酉屋で飲んでいるうちに、近所にある霊園に肝試しに行くことになりました。
女五人、男三人。
シ酉が飲めないハナコとタロウが車を出してくれて、二台に分乗して深夜の霊園へと出発。
巨大霊園だけあって道路が整備されており、園内は車で移動できるので
ゆっくりと徐行しながら園内を回ります。
「入り口脇の会館に、花束を持った女の幽霊が出るらしい」
「A地区のC棟通路を、白い人影がフワフワと移動しているらしい」
「B地区にある樹が、風がないのに揺れ続けるらしい」
園内の心霊スポットを、ゆっくりと次々に回っていきます。
車に乗ったままなので、あまり怖くありませんw
E地区に到着しました。
ここで一同車外へ。
E地区は、墓場の細い通路を歩くと、誰かが足首を掴む…というウワサがあるのです。
八人いた仲間の内、早々に四人(男女各二名)がリタイア。
男一名、女三名が通路へと突入。
四人がダンゴのように固まってゆっくりと歩きます。
真っ暗な通路を、お墓を蹴飛ばさないように気を付けながら進んでいたところ
「ひいいっッ…―!!」
誰かが空気の抜けるような悲鳴を上げ、それを聞いた全員が、訳も分からず条件反射で絶叫。
互いの身体を抱き締めようと四人で大暴れ。
細い通路の両脇には小さなお墓がびっしりと建ち並んでいたのですが
私達のちょうど真横にある、墓石と墓石の隙間に、人間が体操座りでうずくまっていたのです。
「び…っ、びっくりした……」
それが人間だと分かった私達はホッとしながらも、震える声で囁きあいました。
うずくまっていた人間が顔を上げ、こっちを見ています。
さりげない笑顔で小さく頭を下げたりして、その場をやり過ごそうとした私達ですが
その人間が、彼男だと気付いた私は
腹筋がケイレンするほど大きな悲鳴を上げてしまいました。
二年ぶりの再会。
そりゃ地元が同じとはいえ、こんな状況で出会うなんて、誰が想像できたでしょうか。
と言うか、何故に彼男は墓石に挟まって座っていたのでしょうか。
そこに深夜、私が通りかかるとは、どんだけ心霊現象なのかと。
彼男は(私の仲間も)私の悲鳴に驚いたようですが、無言でその場を立ち去りました。
だからどうして、こんな墓場の墓石と墓石の間に…と聞くヒマもありません。
「私の知ってる人…」と仲間に言ったものの、こんな墓場の通路でkwskしていられません。
ギャーギャー騒ぐのも墓場の住民達の迷惑だろうし
ゆっくりと通路を歩いて、広い車道に出ました。
今の通路を逆戻りするのはイヤだったので、停めてある車に戻ろうと車道を歩きます。
ここで彼男について簡単に説明する私。
仲間も「なんか気持ち悪い」と不思議そうに泣き笑いしています。
200メートルほど先の車道に路肩駐車している、仲間の車が二台見えます。
一台は室内灯を点けており、リタイアした友人四人が乗っているのがボンヤリ見えました。
後部座席の一人が気がついて、私達に手を振って笑っています。
女二人が車から出てきて、こっちへと歩いてきました。
手を振り返す私達、心なしか歩調が早まります。
…歩いてくる女二人の足が止まりました。
こっちを見ています。
それから、背後の車を振り返っています。
また、こっちを見ています。
どんどん歩く私達。
「ギャアーーーーーーーーーッッッ!!!!」
迎えに歩いてきていた女二人が絶叫しました。
車内にいた二人もビックリして飛びだしてきます。
笑っていた私達四人も、ギョッとして立ち止まりました。
「一人多いいぃぃぃぃ!!!誰かいるううぅぅぅっっ!!!」
停まっていた二台の車。
一台にはリタイア組が四人乗っており
もう一台は無人だったはずなのに、そこから彼男が飛びだしてきました。
ダッシュで闇の中へと消える彼男。
リタイア組の四人いわく
「みんなが行ってから数分して一人戻ってきた」
「私らの車に来ないで、向こうの車に乗った。男なのは分かった」
「男が戻ってきたよ、女三人で通路を歩いてるなんて凄いって笑ってたんだけど…」
「戻ってきたのが三人じゃなく、四人だったからビックリした」
「誰?あれ誰?(号泣)」
「ごめん、あれ、私のモトカレ」「私子のカレだってよ、なんでここにいんの!?」
「あいつ、墓場に座ってた!!」「なんで車に…!!」
凄い騒ぎになりました。
彼男が侵入していた車内は、とても怖かったけれど、とにかく帰宅。
タロウのアパートに全員が駆け込み、そこで私のモトカレだと説明したものの
やはり全員、全く意味が分かりません。
私も、数年前に別れた男としか説明しようがないのですorz
説明の間、室内は水を打ったように静まりかえり
「なんか鳥肌がたってきた」「アタマがクラクラする」
と、謎の怪奇現象に苦しむ者も出て
「明るくならないとオウチに帰れない」
「怖くてトイレに行けない」など、集団ヒステリーの様相を呈し
ヘタな肝試しなんか屁でもないくらい、恐ろしい一夜を体験しました。
ちなみに彼男からは数ヶ月後
「元気…?」という留守電がはいりましたが、返事もせずそれきりです。
お盆はとうに過ぎておるぞ
>>547
怖いからなんで墓場にいたのか、車に乗り込んだのかを聞いてほしかった
生き霊ですね。
本人も気づかない内に飛ばしてることもあります。
彼は今でも、心の何処かに貴方を強烈に思っているんでしょう。
>>544は恐いか? 道具建てはホラーなのに間が抜けてて面白かったよ。
ホラー全然ダメな私も大丈夫だった。
墓場にいた理由はきっとすごく下らないと思う。
仲間と肝試しに来てて置いてかれたとか?
で、怖くて墓に挟まれて泣いていたと・・・w
敢えて夜の墓場の墓石の間に挟まって動けなくなるジョンダ流開運法をやっていた
つーかこれ修羅場か?
居るはずのない場所に元彼出現。
しかも勝手に車に乗り込んでいる。
状況的に、男女の修羅場のベースは整っているが
舞台が墓場だったことで、修羅場とは違う展開になっているなw
私子んちの家具の隙間に挟まっていたら完璧だったんだが。
まずその元彼が生きてそこに存在してたか、から始めようか
や、でもこの修羅場好きだよwww
なんかじんわり怖くなる感じがいい
一気に読んだら良作揃いでびっくり
>>544おもしろかったww
>>544乙
浮気したくせに連絡してきた糞男うぜー。
夏が終わる前にみんなも墓場に肝試しに行け。
昔の恋人が墓石に挟まっていて再会できるかもしれんwww
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