そして夜。
愛子が待ち合わせ場所へ向かう。?
待ち合わせ時間になって、愛子に近づく男がいた。?
旦那だ。?
あらかじめ、中野さんの計らいで愛子にはイヤホン型のインカムをつけている。ポケットには小型の無線機も。
なので、向こうの会話はこっちに筒抜けらしい。
旦那「こんばんわ」?
愛子「石川・・・さんですか?」?
旦那「そうです。やっとお会いできましたねぇぇ」?
(菊ちゃんが、インカム越しに「うわっ、きもっ!」 とつぶやき、?
二人から”しー!”と制止される。一応、外には漏れない設定になってるものの、愛子が動揺すると困るからだ)?
愛子「あ、はぁ・・・(^^; では、メールでお話したお店を予約してるんで?
、さっそく行きましょうか」?
二人が動き出し、私たち3人もあとをつけます。?
10分弱歩くと、目的の店に到着。?
店に入ると、愛子と旦那は指定された席に着き、?
数分後、私たち3人も到着。?
さっそく中野さんが。?
中野「中野ですが、店長いる?」?
店員「はいっ。中野様ですね。お待ちしておりました。?
店長は奥で準備中ですので、私がお席までご案内します」?
中野「お願いします(にこっ」?
案内されたのは、一番奥の席。?
通路挟んで向かいが愛子たちが案内された席だった。?
店員「店長は後ほどご注文をお伺いに参りますので、?
ドリンクの注文だけ先に承りますが。」?
中野「じゃ、僕水割り」?
菊ちゃん「じゃ、私ネーブルオレンジ」?
私「じゃ、私も彼女と同じので」?
店員「かしこまりました」?
個室に入ると、ノートパソコンがあり、既に起動している。
中野さんがマウスを動かすと、向かいにある愛子と旦那がいる個室が映し出された。
音はスピーカーで出してはいるが、周りの声もあり、音漏れの心配はないようだ。
二人は自己紹介から始まり、シ酉が進んだ。
打ち解けて来たところで、愛子はおもむろに聞いた。
愛子「石川さんって、ご結婚されてるんですよね? 遠くの土地とはいえ、女性と二人っきりで飲んだりして、平気なんですか~?」
旦那「あ、あぁ。大丈夫。彼女、お嬢様だからね。そういったこと疑われたりしないよ。家ではマイホームパパだから、怪しまれないし。こうして女の子と会うときは、決まって出張のときに決めてるから。バレようはないっしょ(笑)」
愛子「悪い人やなぁ( ̄∀ ̄;)」
旦那「僕自身、恋愛経験がないから、仕事と家庭の往復で、なんか刺激が足りなくなってるんかも知れんね。嫁さんとも、定期的にするんだけど、なんかマンネリと言うか……ドキドキ感が足りないというか…」
愛子「ゼイタク~!w」
旦那「だから今日はラッキーだよ。君みたいなかわいい子とデートできるんだから」
人の本音って怖いですね。
気がついたら、思わず立ち上がってしまいました。
私「今私あなたの数メートル先にいるんやけど(#゚Д゚)?!!」
菊ちゃん「声がおっきい~!ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ」
この時、旦那への怒りで、変にシ酉が進んでしまい、気がつくと1時間半が経過。
そんな私たちを横目に、ずっとモニターを見守る中野さんが。
中野「あ。愛子さんが席立ちますよ。お手洗いみたいですが」
と声をかけたあと、がらっと扉を開けてお手洗いに出向く愛子。
すると、菊ちゃんのインカム越しに、声が聞こえて来た。
愛子『もうー!なんなんあいつ! 絵里の旦那とはいえ、やらしすぎ!』
どうも、テーブルの下で太ももを触られたりしてた模様。
菊ちゃん「単純だねえ…この分なら、簡単にハマってくれ…」
中野「ちょっ、何やってんだこいつ!」
菊ちゃん「うわっ!」
菊ちゃんが中野さんに引っ張られ、モニターを見て目が点となる。
私も釣られてモニターに視線を移した。
旦那が何かを愛子のドリンクに入れてる……
モニターには、旦那が愛子の飲み物に何か液体のようなものを入れている様子がハッキリと映っていた。
中野「これ飲んで、愛子さん大丈夫ですかね……」
と、話してると。
愛子『どしたん? なんか色々聞こえてきたけど』
愛子がインカムのノイズを聞かせながら尋ねてきた。
菊ちゃん「あいつ、愛ちゃんのおシ酉に薬入れたっぽい。愛ちゃんが飲まないよう、すり替えにトライしてみるから、飲んでたの何か教えて」
愛子『はぁ!? …確かネーブルオレンジだったかな。で、どうやってとっかえるの?』
菊ちゃん「要はあいつに席を外させればいいから……絵里ちゃんからあいつの携帯に電話かけさせてみる。一回席に戻って、飲んだ振りしてみて。できる?」
愛子『わかった。やってみる』
中野「では、絵里さんは一回外に出て静かな場所で旦那さんに電話して下さい。くれぐれも、見つからないように」
私は頷くと、中野さんはそっと部屋の戸を開けて、促してくれた。
菊ちゃんがすり替え用の飲み物を頼み、待機する。
私は席に戻る愛子とすれ違い、目配せすると、店を出て静かな場所を探した。
ビルを出てとある店のトイレに駆け込み、携帯をみると、菊ちゃんからゴーサインの着信があったw
旦那に電話する…でも、席を外させる話題って?
…どうしようヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ
ごめんなさい。お母さん。
ちょっとだけ倒れてて下さいw
私は携帯を鳴らした。
うわぁ…
かなり本格的(^^;
トゥルルルル………がちゃ。
旦那「もしもし、なに?(店の会話の声)」
私「…あ、私。今話せる?」
旦那「あ、あぁ、まぁ、大丈夫だよ。うん。」
と、答えると、ガーー!ピーー!
と甲高いノイズが響く。
私「わっ! うるさっ。なに?この音。あなたどこにおるん?」
旦那「ごめん。ちょっと待ってて」
と、電話越しにカタカタ音が響く。
どうやら部屋を出たらしい。
しばらくすると、ノイズがなくなり、会話が再開された。
私「あのっ、実はさっきお母さんが腰を痛めて倒れちゃったらしいの。
お父さんひとりじゃ不安だから、子供たちと一緒に実家にいってくるから。
あなた、明日戻って来るんでしょ?
着替えとか準備しとくから」
旦那「わかった。気をつけて」
私「じゃあ」
ぷつっ。ぷー。ぷー。
電話を切ると、菊ちゃんからメールが来ていた。
すり替えOK。
見つからないように戻って来てね♪
良かった。成功したんだ(ほっ
さぁ、店に戻らないと…
と思って電話をした建物を出ると…
あれ…
私、どこから来たっけ?
そう。皆がいる店の場所がわからなくなっていた!
迷子だーー!・゚・(ノД`;)・゚・
夜も遅いのにこの人混み…
やっぱ都会は怖いよーー!
しばらくプチパニックを起こしていたら、携帯が鳴った。
菊ちゃんだっ!
菊ちゃん『もうすぐ二人が店を出ちゃうよっ!早くこっちに戻らないと…』
すると、横で中野さんが呟く。
『GPS。予定かわったから…』
私「菊ちゃんごめん。道に迷ったの(つд`)」
菊ちゃん「落ち着いて、そばに何が…いたぁー! そこにいて! じっとしてて!」
私「えっ? え!?」
と言った直後、駆けてくる菊ちゃんがみえた。
菊ちゃん「良かった~、すぐ捕まって。
あ! それよりもちょっと急遽予定変更になってね、車出すから急いで!」
私「う、うん!」
私たちが走った先に、中野さんと先ほどのお店の店長が車で待機していた。
中野「二人が動いたよっ。じゃ、サンキューな。店長!」
店長「はい!またいつでも!」
車は二人を乗せたタクシーの後を追走し始めた。
すみません。母に呼ばれたので席外しますね。また夜に~。
旦那最悪ですな・・・
ごめん、色々ドラマみたいで笑ってしまったw
ワロタ
わろたけどさ何で結婚したのさ
さすがにここまでの外道は分かるよ
すごーい。
なんか、ドラマみたい。
旦那きもすぎwwww
続き待ってるぜー
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