始まりはもう5年も前の話。
もう吹っ切れているし、過去の事なのでうp。
当時、夢追って田舎から上京したばかりの私は周囲に友達もいなくて
淋しい一人暮らしをしていた。
そこで出来た彼氏T。職場(地域密着型バー)が一緒で、深夜に店が終わった後に
飲みに行ったり、口説いて来る常連さんの相談などをしていたら
気が付いたら家に来るようになり、私も上京前に人生初ほどの失恋で傷付いていたので、
忘れるためにというか誰かに縋りたくて流れるように関係を持ってしまっていた。
初めは割り切っていたのだけど、そのうち私の交友関係にも口を出すようになって
「付き合ってもいないのにそんなことを言われる筋合いはない」
と言ったところ、「じゃあ、正式に付き合おう」とのことで交際開始。
私にとっては、一人きりの状態の中、頼れる人が出来たことがとても嬉しかった。
その頃、職場にもう一人女の子が入った。
その彼女Kと私は同い年で、仲良くやっていた。
そのうち職場みんなで焼肉会をすることになり、そこで元々仲良くなりたかったKと私は意気投合。
二人で二次会をやることにしたが、誘ってもTは来なかった。
なぜなら、Tはその子にも手を出していたから。
Tはお客さんからも好意を寄せられるようなタイプであったため
私はTに選ばれたんだと、少し嬉しくなって浮かれていた。
最近Tの様子がおかしいことは何となく気付いていたけど
Kに大学生の彼氏がいることは知っていたし、
田舎者の私は疑うこととかを知らず、Kに言った。
私「私ね、実はTさんと付き合ってるんだ」
それを聞いたKは一瞬固まり、しばらくして私に言った。
「最近ウチに来てるよ」と。
聞けば、数日前から彼女の家にも出入りし、もちろん関係済みだった。
彼女が私に素直に報告してくれたことは今でも感謝しているし…でも。
もう私にはその場にいることはできなかった。
Kに会計の一万円を渡し、「ごめん、帰る」と言って店を後にしTに電話をした。
彼が、私達の会に参加しなかった理由も理解できた。
Tに電話をし、彼はいつも通りだった。
逆上した私は
「あの後私とKが飲んでたのは知ってるよね?
だったら、この時間に私がこういう電話をしてくる意味は理解できてるでしょう?」
と言った。
Tは「今はすぐには行けない。明日、出勤前に寄るよ」と言って電話を切った。
それから私は眠れるはずもなく、一睡もしないまま昼まで待っていた。
昼過ぎにTはやってきて、何も手に付かずにいる私に淡々と話を始めた。
Kと関係を持っていたこと、私達が仲良くなることが嫌だったこと。
「どうするの? 私はどうしたらいいの?」
と聞くことしかできなかった。
そして「私と付き合っていきたいのか」と。
Tは、私と付き合いたいと言った。
でも、その日のシフトは私は休みで、TとKが出勤する日だった。
Tは「Kとも話をしなくちゃならない」と言い、
私は「じゃあ待ってるから、終わったら連絡して」と言った。
それから、仕事が終わるのは深夜3時で、5時まで待ってもTからの連絡はなく、
しびれを切らして電話をしてもTは出なかった。
一緒にいるはずのKに電話をして、Kは出たものの、彼女の口から出た言葉は
「今、うちに来て話をしてたけど、寝ちゃった」
だった。
私はKから話を聞いた時からずっと眠れずにいて、眠るTにも腹が立ったし
私の気持ちを知っていながらこういう状況で眠らせるKにも怒りを感じた。
「私だったら決着もつけられない男は叩き出すよ。
こんな状況で、眠ったとか許すとか、信じられない。
今から駅前に行くから(Kの家は駅から1分)、叩き出してよ」と言ったと思う。
Kは「わかった」と言ったものの
私が駅に着いた時に、駅で待っていたのはKだった。
私「なんで来ないの?」
K「起こしたんだけど、起きなくて」
私「だから、さっきも言ったじゃん。なんで叩き出さないの?!」
K「わかんないよ、私も好きになっちゃったんだと思う…」
もう、すべてが絶望的に見えた。
上京して初めて出来た彼氏も、
やっと出来たのかと思った友達も。
やっと言えたことは、
「わかった、もういい。でも、帰ったら、私が連絡くれって言ってたことだけ伝えて」
だった。
Kは「伝える」と言って帰っていった。
もうずっと寝ていないし
どうやって帰ったのかも覚えていないくらい疲れて家に着いた。
その時、財布とカギが無いことに気が付いた。
Kと話をする時に自動販売機でお茶を買って、そのまま家のカギを付けていた財布を
話していた場所に置き忘れてきたのだった。
駅から家までは歩いて15分。
でも、もうなり振りかまってなんていられなくて履いてたミュールを脱いで
ネ果足で早朝7時の出勤人の歩く商店街を猛ダッシュ。
コメント
人間の本質は矯正できない
無駄な時間を過ごしたものだ