昔から幼なじみのA子、金持ちの息子B男、おれの3人でつるんでいたんだけど実は別に俺とB男は
特に仲良くもなく、ただA子が俺たちの間をふらふらしていただけだった。
今から思えばそんだけなんだけど中学卒業して、A子と俺が同じ高校で、B男が別の高校にいって
高校でA子に告白するとかいうバカを俺がしでかしてしまって、つきあうってバカをさらにやってしまって
けれど俺が東京の大学にいって、A子は地元に残ったんでB男がさっそく手を出して
俺はがっくりきて自然消滅でそのまま東京で就職
ブラック企業でものすごい働いたのでそこそこもらえたけど、さすがに一度体壊して地元に帰ったら
B男が何度も浮気するってA子に相談持ちかけられて、ほだされて相談聞いたのが3つめのバカ。
で、新たなB男の浮気が発覚してA子が怒り狂って、俺と結婚するって言い出して、俺もバカだから
A子を守るとか寝言ぬかして結婚して、東京に戻った。
当然、ブラック企業で仕事しているうちに、A子がB男とよりを戻したし、B男との生活のほうが金回りも
良かったらしいんで、貧乏で仕事中毒の俺なんかよりB男のほうがずっと優しくて頼れるとのことで。
当時のA子とB男のふんぞり返り方は、そらもう、すごかった。俺の親もいたたまれなくなって東京に出てきた。
とはいえ、地方ってのは親戚づきあいを欠かすとさらに立場が悪くなるんで、時々親も俺も地元に帰るんだが
そのたびごとに、子供抱いたA子といい服着て高級車にのったB男が、うちのまわりをうろうろする。
もちろん、悪い噂は流されまくり。苦痛に耐えて最小限のことやって東京に逃げ帰るのが恒例行事になってた。
ところが我がブラック企業がプロジェクトで大失敗して身売り。俺は国内の再就職状況がいまいちだったんで、
外国に渡った。長年の憧れだったし。言葉の問題はまあ苦労したんだけど、そこでイ本の関係になったCができた。
国際結婚ってのは言うほどたやすくないってのは俺もCも結婚には慎重だったんだけど、日本に連れてけって
うるさかったんで、夏期休暇の時に連れてった。まあガイド代わりだね。
最初は定番の東京富士京都奈良だったんだけど、日本にはまったCが3回目の時に俺の地元につれてけと。
で、Cってのは、身長が175あって、胸もでかいし、目は緑 髪の毛はオレンジと茶色の中間だけどきれい
まあ、どうみても日本人がはじめはひくタイプの西欧的美人。
実際は結構いろいろダメでコンプレックスもちのさびしがりやなんだけど
普通に歩いている分には、そうは見えない。
まあ、このCをあの鬱屈したなんもない地元に連れてったわけだ。
何が楽しいのかわからんが神社とか、棚田とか見せてたわけだけど、
蔵と古い作りの家が残っているB男の家もみたいって言い出したんで
気分は良くないけど見せに行ったわけだ。
このときのB男の顔の変わり方は忘れられないと思う。
コンパクトカーのレンタカーを門の近くの邪魔にならないところに止めたら
B男が出てきて、
「よう、ひさしぶり」とかいいながら余裕の顔で車をみわたしたわけだ。
「うん、ところでちょっと案内している客が居るんで、家を見せてもらうけどいいか?」
「おう、どこでもみていけよ」
まあ、勝ち誇った顔が妙に面白かったけど、俺は助手席のドアをあけてやったわけだ。
普段はやらないけど、エスコートだからな。
「ハジメマシテ」
にょっきりとCが車外に降りたって空気一変。これでもCは日本語をちょっと勉強して、挨拶もがんばったんだけど
でっかい西欧女性が上からにこやかに挨拶するってのは、結構クルよね。
B男フリーズしてた。はわゆーとか口走っていたけどCは英国籍でも米国籍でもないから。
「じゃ、お邪魔するね」
って俺はCの手を引いて敷地内にちょっと入って蔵とか母屋とか解説してたわけだ。
そうすると、母屋の玄関からやつらの子供がじーっとこっちを覗いていて、それにCが手を振って、
「ママー 外人きてるー」とか呼び出すわけ。
やってきたA子が目を丸くして俺とCを見て立ち尽くしているところに、B男がやってきて
「お、お、おまえ、この人とどういう関係?」
とか聞くんで、
「妻じゃないよ」って言ったら露骨にB男とA子が安堵の息をもらしてたんだけど
Cが、何を尋ねたの? 訳してって言ったので、その通り訳してやったら(訳している間、A子とB男がなんとも言えない表情だった)
日本語ならコイビトでいいんだよねってCが言ったんで、そうだって答えたら、Cがいきなり
「ワタシタチハ、コイビトドーシデス」
って日本語で言ったもんで、A子とB男がすごくショックを受けていた。
コメント
この当時って、こういう『ざまぁ』ネタが流行ったよな!
妄想書いて虚しくない?