よし、書き込みます!
職場の先輩に入社当時から苛められていて、すごくつらかった。
この先輩(S子とします)は、すごく美人で人気者で、おしゃれで料理上手。
なのに気さくで、と周囲に絶大な信頼があったので喪女の私がいくら上司に言っても信用されなかった。
だから、上司や先輩には相談できず、ずっと友達にだけ愚痴っていくしかなかった。
S子先輩は独身主義らしく、『結婚してもいいことないわよ』と言っていて、
周囲の信望者たちはフランスの事実婚みたいで素敵、とちやほやしていた。
当時S子先輩にはずっと同棲している年上のお金持ちの彼氏がいて、贅沢な旅行や生活ぶりがセレブっぽくて
それも信望者たちには憧れの的だったらしい。
私は貧乏で奨学金を支払いながらの生活で、水商売をしていた。
夜の仕事のお客様やママにはとてもよくしてもらったけれど、
水商売というものが蔑視の対象になることも昼の仕事をしていて身にしみた。
『夜の常識、昼の非常識というぐらいかけ離れたものなのよ』
とママからアドバイスされたことは今でも覚えている。
ただ、20代でてっとりばやく稼ぐなら水商売しかなかったし、風ゾクにまではさすがに
勇気がなかった。金額がもっと莫大だったらその世界に飛び込んでしまったかもしれないけれど、
私は運がよかったのかもしれない。
S子先輩や取り巻きの人達には
『あんな女が水商売とか(笑)』
と嗤われた。私がダブルワークしているのは入社当時に上司に正直に内情を打ち明けて、
それでも了解されたから。そういう意味でだけは、上司に感謝している。
とにかくダブルワークで忙しかったので、会社の飲み会には参加できず、
微妙にハブられているのもわかっていた。だから私は苛められていても
黙々と仕事をした。
おかげでこの不景気で人員整理の対象にはならず、取り巻き達は体よくクビになったけど
私はずっと安定して雇ってもらえた。それはS子先輩も同様で、そのうち私と仲良く話すようになった。
ただ、私を見下げているのだろうというのは会話の端々から見て取れた。
ずっと彼女を恨むほど暇ではなかったし、第一、仕事が私の全てではない。S子先輩のいない
仕事外の時間はぼっちなりに充実していて、正直、S子先輩が何を言ってきても気にしないでいようと
考えるようになってきた。
でも、ある日、ひどいことを言われた。
私は夜のお客様から子猫を貰って育てていて、ある時、障がいがあるのがわかった。
よちよち歩きの頃はわかりにくかったけれど、大きくなるにつれて一見してわかるほど。
里親だったお客様はこっちが申し訳ないほど謝ってきて、育てにくいのなら(ダブルワークで拘束時間
が長いとご存知だった)自宅に引き取ると提案してくださった。
私は毒親育ちで、不具があるなら要らないなんて猫相手でもどうしても思えなかった。
なので、気持ちだけありがたくいただいて育てた。
検査代や薬代など馬鹿にならなかったが、それでも可愛くて仕方なかった。
そのエピソードを、うっかり昼の仕事中に猫好きな同僚に話していたのをS子先輩に聞かれ、
ふたりっきりの時に尋ねられた。今でも馬鹿だったと思うが正直に話したら、
『お金かかって大変でしょ。
そういう猫ならすぐ●んじゃうから、次はもっと健康な猫貰ったらいいじゃない(笑)』
頭が真っ白になるってこういうことか、と思った。
あんまりにも酷くて、咄嗟に何も言えなかった。
でも、この酷い言葉を職場の誰も信じないだろうともすぐ気づいた。それだけ、S子先輩はいい人で通っていた。
絶対にふたりっきりの時でしか私を攻撃しないから、私が騒げば騒ぐほど逆効果だということも。
ずっと悶々として様子のおかしい私を心配したママや夜のお客様には、本当のことを話した。
ただ、里親になった方には絶対に言わないでください、と。障がいがわかった時ですらあんなに気を遣って
くださったのに、これ以上心を痛めて欲しくないから、と。
利用したようで申し訳なかったが、義憤にかられたママや他の常連様がこの話をよそでしないわけはないというのは
わかっていた。
里親のお客様に同伴に誘われ、問い質され、私は話した。
入社当時から苛められていたこと、水商売は確かに馬鹿にされても仕方ないが、それを理由に昼の仕事を
おろそかにしたことはないこと。なのになぜ、ここまで言われなくてはならないのか。
ペットを飼ったことのない人にはわからないかもしれないが、家庭が破綻していた私にとっては家族以上の
心の支えなのに、と。
お客様はずっとうんうんと聞いてくれた。
当時の私の夜の店での立ち位置は、
親に恵まれず苦学生から頑張って正社員の仕事を得て、奨学金を返済している子だった。
皆、あしながおじさんの気持ちだったのだと思う。
そして、私は友人以外に昼と夜の両方の愚痴を言わなかった。初めての弱音といってもいい内容が上記だったことで、
夜の仕事の関係者にはすごいインパクトだったと思う。
私がしたことは、里親のお客様にできるだけS子先輩の情報と性格を詳しく話した。
それだけ。
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