のんき・・ なんか怖い予感しかないが
で、また会社の前で「アイツ」とあった。
その日は風邪が強い寒い日だった。
挨拶をして、何か言いたそうだったけど何も言わなかったんで
オレから口火を切った。
「間男とうまくやってる? せっかく離婚したんだし彼を大事にしなよ」
別にいじめようとかそんなつもりはなかったんだけど、口に出てしまっていた。
「アレのことは言わないで。私、どうかしていた」
目を伏せて反省みたいな表情だったけど良くわからなかった。
「そう? いろいろあるんだね。だけどまたいい男と出会うかもしれないし、がんばれよ。じゃあ」
自分でもがんばれよとか、空々しくて笑いそうだったけどそれ以上話すこともないし行こうとしたらコートの袖を引かれて
「あなたが私を見てくれなかったからこんなことになった。責任取ってやりなおしてよ!」
目の前の女がわめいた言葉が良くわからなかった。
「はぁ?」
「なんで、妻に優しくしないの? 一緒に暮らさないの?」
なんというか、仕事とかでやばいっていうのはあっても、この訳のわからないヤバイ感じは一段突き抜けていたと思う。
「離婚しただろ!」
って言って袖を振り払って思わず逃げた。それ以来会社の出入りに気をつけて出口も変えた。
うわわわわーーデター アホ嫁ーー
>>528
元汚嫁「お前は黙って復縁に応じてATMに徹してりゃ良いんだよ」
すこし話が遠回りになる。
祖母がタヒんだ後、俺名義の祖母の遺産のマンションの内、資産価値が下がりきった古い一棟を
父の金と、俺の増えた貯金とで建て替えることにして、両親がいろいろやってくれて建て替えをした。
で、最上階の2部屋に相当する部分を、俺の部屋にしたんだ。賃料がもったいないし、管理人代もうくし。
というわけで、アイツと出合った頃、俺は新築のオシャレなマンションの最上階から通勤していた。
で時たまだけど、離婚の時にいろいろ世話になった人達や、古い友人を招くことがあったんだけど、
それ以前のボロ賃貸とは一線を画するだけに、「ばあさんの遺産だ」と言わないと変な勘ぐりをされるので
正直に答えていたのだけど、噂は広がっていたらしい。
「浮気されてその慰謝料でマンション建てた」って噂だけど、不倫側に届けばねぇ。
アイツから訳のわからない罵倒を受けた日の夜に、間嫁さんに電話を掛けた。
「こっちも、復縁? 良くわからないけど、きた」
電話の向こうで間嫁さんが可哀想なほどため息をついたのを良く覚えている。
「あの人ね、転職して給料下がったんで、ぶちぶち言われてたんだって。
それでまた若い女に手を出して、
大げんかして、離婚して一緒になろうって若い女に言ったら、×2のおじさんなんかと結婚したら
かっこわるいからいやって言われたって。何を考えているのかな? 男って浮気やめられないの?」
「それは男の問題じゃなくて、間男の問題だから。俺は浮気してないし。というかされた方だし」
「……ごめんね。そっちは?」
「俺のせいでこうなったから責任とってやりなおして。妻にやさしくしてよってドナられた」
「はあ? わけわかんないんですけど?」
「俺に言われても」
「復縁?」
「さあ?」
「……ほんと、わけわかんない」
「先生と相談する?」
「それがいいかも」
そういう流れで弁護士の先生ところに行くことになった。
弁護士先生はつるっぱげだけど、サイドには髪の毛残っている。
久しぶりにあったら、その髪の毛もだいぶん白くなっていた。
もっとも誠実そうな目とか、信頼できそうなしゃべり方とかは変わらない。
なんとか平日に半休とって弁護士事務所にいって、先生に相談した。
それで正式に受任してもらって、
とにかく言い争わずに弁護士をとおしてと言うこと
家に入れないこと
暴/力振るわれたらすぐにK察呼ぶこと
などなど
まあ当たり前のアドバイスをもらって
間嫁さんは接近禁止命令をもらってみることになった。
おれはまあ、もうちょっと激しいつきまといの例が出たらということになった
ただ先生のところを出ても間嫁さんの顔は晴れなかったんでコーヒーショップによって
話をしたら、間嫁さんが両親と同居している実家が一軒家で侵入しやすい(泥棒に2回ほどやられてるらしい)
上にお父さんは定年後も働いているので家にあんまりいないし、お母さんもわりと家をあけがちで
全開間男が来たときも、二人は居なかったらしい。
その話を聞いて、俺はすごく迷った。
俺の中に女性不信はやっぱり残っていてもう恋愛も結婚もする気がなかったし、
それは間嫁さんもよく言ってたんで、微妙な関係であることで俺は救われていた。
けれど、オートロックに監視モニタがついている俺のマンションの屋上の部屋にくれば、問題はかなり解決する。
その日は、その案を言わないまま俺たちは別れた。
今度は、間男が現れた。
もうクリスマス商戦が始まった頃で、会社の出口を変えてアイツに合わなくなって
ちょっと気が緩んでいた頃だった。
一旦家に帰って、資料作りのために、コンビニで資料をスキャンしようとまたマンションを出たときだった。
暗がりから、俺の名前を呼ばれて思わず立ち止まったのが失敗だったと思う。
昔離婚騒動の時は、それなりーにイケメンっていえる奴だったんだけど
見事に生え際が後退してテッペンが薄くなっていて、顔の作りがいいだけになんとも微妙な感じで
しかもシ酉飲んでるのかフラフラしながら、俺の前にでてきた。
「おい、おまえ、金持ってるからって人の女房寝とっていいっておもってるのかよ?」
うん、今書いてても前提がわかっていなければ意味不明な言葉だけど、当時の俺は全然わからなかった。
答えようもなく立ち尽くしていると
「間嫁から離れろよ! ふざけんじゃねーぞ。お前はお前の女と仲よくしてろよ」
なんていうか、なんで罵倒されているかわからないと、言い返すことってできないんだよね
「だまってないで、なんかいえよ!」
胸ぐらを捕まれて流石に茫然自失から立ち直って腕をふりほどき
「わけわかんないこと言うなよ。アイツと幸せにやってればいいだろ」
「なんだと、俺をだましやがって! 俺にくそ女をおしつけやがって! 笑ってたんだろ!
入院して弱いふりして、あんな女にマジになってた俺を笑ってたんだろ! クソ野郎が!」
ここまで無いこと無いことを言われるとさすがに腹が立って、なぐってやろうと思って目を据えたときに
「だれがクソ女よ!」
アイツだった。考えてみればマンション付近で見張っていたのだろう。
いきなり現れたアイツは間男に飛びかかり、間男はよろよろしながらアイツを払いのけようと暴れていて
俺はいきなり現れたアイツにぞっとして、これ幸いとコンビニに逃げこんだ。
帰り道は相当ビクビクして帰ったが幸い奴らと出会わなかった。
コメント
報告者に緊張感が無い事に違和感を覚える、発達障害ならば逆に警戒感を持つし、知的障害なら被害妄想を持つだろうし。