211: 本当にあった怖い名無し 2013/01/17 14:37:11 ID:FcEruzpy0
メモ帳にまとめたんだけど、超長文。
事実だけどフェイクいり。
長文苦手な人はスルー願います。
友人Aは優秀な大学の法学部を卒業し、アメリカで修士課程を終えてから、一流企業に就職した。
大学の頃からのガールフレンドのB子とは、結婚を前提に付き合っていた。
Aが就職して既に6年経ち、本腰を入れて、結婚を考え始めた頃、
B子が激しい頭痛を訴えるようになり、精密検査を受けた。
検査の結果は脳腫瘍だった。
腫瘍はまだ小さかったが、B子は精神的に不安定な状態になりつつあった。
手術迄の1ヶ月間、AはB子を励まし続けた。
そのかいがあってか、B子は明るさを取り戻し始めていた。
手術の前日、Aは、「弱気になったら病気に負けちゃうぞ、いつもの君らしく、強気でいけよ」と
B子を励ました。
意外にもB子は、「大丈夫、心配ないよ。とっちゃえばいいんだから」と明るく答えた。
手術は思いの外、早く終わった。
Aは、B子の両親と一緒に執刀医の話を聞いた。
執刀医は、頭を開けて見たところ、腫瘍は見当たらず、改めてMRIを撮ったが、何も異常はなかったと語り、引続き定期検診を受けるようにと言った。
B子の両親は大喜びだったが、Aは何故か手放しに喜べず、脳外科医の友人Cに相談した。
Cは、困ったようにAにこう言った。
「腫瘍はしばしば、意思を持った物のように、隠れることがある。
楽観視はできない。」
「もしよければ、俺に任せてくれないか?」
数日後、B子の両親を説得し、Cの勤務する病院を訪ねた。
CはB子の両親に事の次第を説明し、セカンドオピニオンも必要なのでB子を任せて欲しいと頼んだ。
自らも医者であるB子の父親は、
Cの申し入れに感謝し、B子を任せた。
Cの病院での初めての精密検査は、AとB子の両親を奈落の底に突き落とすような残酷な結果だった。
腫瘍は、以前と同じ場所にあった。しかし、以前よりも確実に大きくなっていた。
腫瘍の成長の度合いは、想像以上に早かった。
B子には、再発予防のために放射線治療をすると伝え、通院するようにCは言った。
その頃Aは海外出張が多く、B子の側にいてやれる時間がなかった。
そんな忙しい最中、Cから連絡があった。
B子が全く通院していない、連絡をしても、明日行きますと言ったきり、来ない。
両親が迎えに行き、病院へ連れて行こうとすると抵抗して、
「私は病院へ行ったらタヒんでしまう。放っておいて」と泣き叫ぶ。
どうなっているんだとCに聞かれても、Aには検討もつかなかった。
仕事は他の人にしばらく任せる事にして、Aは帰国した。
B子のアパートへ行き、事情を聞いたAは激怒した。それはB子へではなく、ある宗.教.団体へだった。
手術前に急に明るさを取り戻したのは、その宗.教.団体に入信したからだった。
始まりは、突然昔の知り合いから連絡があり、アパートの近くの喫茶店で会ったことだった。
◯光の信者の知り合いはB子の顔を見た途端、
「あなた、脳に腫瘍がある。今なら私達が助けてあげられる」
と言い、その足で◯場と呼ばれている祈る場所へ連れていかれた。
B子からすれば、病気の事は何も言っていないのに、言い当てられたので、信じたのだろう。
◯場で、◯場主と言うそこでは一番偉い人物から治療を受けた。
治療と言っても、医療用機器などは一切なく、体に触れる事もない。
ただ手をかざすだけだそうだ。
神様の力を借り、その力を手のひらを通して、治療するらしい。
治療が済むと頭が軽くなったような気がした。
その頃には、B子はすっかりその宗.教.団体を信じてしまっていたそうだ。
その場で入信し、次の日には結婚費用として蓄えていた預金から
かなりの金額を◯光に献金した。
そして手術の結果、腫瘍がなかった。B子は本当に◯光の力で腫瘍がなくなったと信じたと言っていた。
AはB子を検査入院という事で、病院へ連れて行った。
そうでもしない限りまた、◯光がやって来て何をするかわからないと思った。
検査の結果は最悪だった。
B子が◯光にそそのかされ、通院していない間に、腫瘍は更に大きくなっていた。
直ぐにでも手術をする事になったので、1日外出許可をとり、Aの付き添いの元、B子は自分の部屋に帰った。
Aはその頃、オリンピックに参加できる可能性があった射撃の練習に通っていた。
その日もB子を部屋に残し練習に行き、昼過ぎに昼食を買ってB子の部屋に戻った。
久しぶりに過ごす2人の時間。
結婚式の事や、昔話をしながら、Aはこのまま時間が止まってしまえばいいのに、と思った。
B子が抱える病気はあまりにも重すぎた。
あと数時間後には、B子は病院へ戻らなくてはならない。
無神論者のAは、初めて神に助けてくれと祈り、同時に初めて神を呪った。
突然インターフォンがなった。
B子はきっとお父さん達よ、とドアを開けた。
そこには地味な感じの男女が立っていた。
ひとりは彼女を◯光に引きずり込んだ知り合い。
もうひとりは、何度か◯場であったことのある信者だった。
ふたりはさっと玄関に入り扉を閉めた。
B子の知り合いが話を始めた。
「B子さん、ずっと◯場にも来ないし、電話にもでないから皆心配してたのよ。体は大丈夫?」
B子は、腫瘍が大きくなってしまったので手術をすることに決めた。
どうかもう私には構わないでと言った。
信者の男は、◯場に来ないから、腫瘍が大きくなってしまったんだよ。今からでも遅くない、◯場へ行こうと言った。
B子が答えに困っているところへAが出てきた。
Aは奥で会話を聞いていたので、そのふたりがどういう人物かも分かっていたが、あえて紳士的に自分はB子の婚約者であると挨拶をした。
Aの態度に安心して、ふたりは手術は良くない、◯場に行くようにB子を説得していたと、Aに言った。
Aは、いくつか質問した。
「もしも、風邪をひいたりした場合も◯場へ行けば、治るのですね?」
「大怪我をした場合も治せるんですよね?」
「例えば、例えばですよ、
今ここに強盗が押し入って、あなた方のどちらかをラ.イ.フ.ルで撃ったとします。
その場合、◯場へ連れて行く迄にタヒんでしまう可能性があるとしたら、あなた方は応急処置的な事をできるのですか?」
最後の質問に信者男が答えた。
「私達レベルでも、神様がお力を貸してくださいます。
痛みを止め、止チをして、傷口が膿まないようにして、体内に入った弾を体が自然に押し出すように
する事はできます。」
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