ホテルの前で「お母さん頑張れ!」という留守電の声を聞いて目が覚めたこと、
そこで私は生まれ変わったということ、
そこから七年間食事にいったことも想いを寄せることもなくなったということ、
だから今の自分とあの時の自分は違うということ、
今は俺の事しか見てないということを言われた
多分、そこに嘘はなかったと思う
しかし俺は脱力した
「やっぱりな、どうりで君が俺なんか好きになるのはおかしいと思ってたんだよ、そういう事か」
そう言って俺は玄関の床にへたり込んだ。
「ちがう!ちがう! 優しくて素敵な人だと思ったから結婚しようと思ったの!」
「子供ができて三年も上司に想いを寄せてたって、それじゃまるで俺はピ工口じゃないか」
「でも今は違う! あなたは天が私に授けてくれた運命の人だと思ってる! 私を生まれ変わらせてくれた運命の人だと思ってる!」
「じゃ、何で携帯に出なかったんだよ、次期社長様とラフ”ラフ”な時に支社勤めの小物が鬱陶しいと思ったんだろうが!」
「凄く葛藤してたよ! でももう手遅れだって、汚れた私があなたの電話に出る資格なんかないって思って出れなかったの!」
「やった方は悲劇のヒロインに浸れて良いな、裏切られ続けてた側はたまったもんじゃないよ」
いつも穏やかな嫁が涙と鼻水まみれになって泣き崩れた。
「トラフ”ル処理は嘘だったんだろ」
「ごめんなさい」
「ひとに心配させといて、悠長に観光巡りしてたんだって?」
嫁はもう言葉も発することもできずに肩を震わせるだけだった。
「ひとをバカにするのも程々にしろよ」
蚊の鳴くような声で、申し訳ありませんという言葉を搾り出すのが精一杯という様子だった。
俺は二つに一つどっちか選んでくれと言った。
え?、と嫁が顔を上げた。
君が出て行くか俺が出て行くか決めてくれと俺は言った。
嫌だ!私出て行きたくない!と嫁がヒステリックな声を出した。
分かった俺が出て行く、君の方が稼ぎがいいしな、当然の権利だと俺は言った。
待って!と言いながら去ろうとする俺のシャツを嫁が引っ張った。
暫く嫁は嗚咽を漏らしながら泣いていたが「私が出ます」と小さな声で言った。
「支度は手伝うよ、残りの荷物は僕がまとめて君の実家に送るようにするから」
「今日出てくだけなの!別れるって認めたわけじゃないの!」
嫁は子供の様に床を激しくドンドン!と踏みつけた。
玄関を出て行く間際に嫁はボソっと「7年間頑張ってきたんだけどな」と一言漏らしながら名残惜しそうな視線を俺に向けてきた。
いろいろと話さなければならい事もあるから、また連絡するよと俺は言った、
「別れないよ!絶対に別れないからね!」という言葉を残して嫁は我が家を出て行った。
家に一人残されると彼女の財布がテーブルに置きっぱなしになっているのに気づき慌てて追いかけた。
遠目に嫁が公園に居るのが見えた。
携帯で誰かと話していた。
俺は反射的に公衆トイレの影に隠れて誰と話しているのかを探った。
「何で今頃蒸し返すような事を言うのよ!」と嫁が今まで見たこともないような凄い剣幕で捲くし立てていた。
その言葉で上司と話しているのが分かった。
俺が始めてみる嫁の怒の側面だった。
暫く罵詈雑言を上司に浴びせかけていたが、最後に「絶対に許さないからね!」と言って携帯を切った。
俺が居るのに気づくとハッとした表情を見せた。
「財布」
「ありがとう」
と言いながらも嫁はいかにも不満そうに唇を尖らせていた。
不満そうな顔のまま去っていった。
たしかその時も、7年間の自分を見て評価してほしいというような事を言われた気がするが、その辺の詳細は失念した。
嫁の具合が悪くて実家に息子を預けていたこともあり、電話で事の顛末を両親に話した。
最初に電話に出た父は、今にして思えば随分とトントン拍子に事(結婚)が進むなと思っていたと言われた。
どうやら俺と同じ違和感を父も感じていたらしい。
母からは、二人の事だから二人で決めてくれと言われた。
ただ子供の事を第一に考えてあげてくれと言われた。
それは親権を手放せということなのかと俺が言うと、母は泣きそうになったのか声を詰まらせていた。
悪いことをした。
一人で寝床に入ると暗闇の中であの日の事を思い出した。
玄関先で慌てふためく母親を心配そうに見送る息子の事を思い出した。
俺たちの心配をよそに嫁が上司とデートしているシーンが浮かんだ。
家族だけがが占有していたはずの優しい笑顔が実は他人に向けられていた事を考えた。
何だか胸がギュッと締め付けられる気がした。
それから嫁と上司のキ.ス.シーンを回想した。
細身な嫁の体を上司が抱き寄せるシーンが頭に思い浮かんだ。
凄く惨めな気持ちになった。
自分が虫けらの様な存在価値にさえ思えた。
頬の痛みが消えず、起き出して鏡を見た。
眼が腫れて痣だらけの無様な自分が映ってた。
バカか?、お前なんか好きになる女いるわけないだろう、と独り言を呟いた。
アイスノンを頬に当てながら寝たが結局悶々として一睡も出来なかった。
翌日出勤前に俺の上司から電話が入った。
本社へ直行せよとの事だった。
本社へ行くと痣だらけの俺を皆が遠巻きにジロジロと覗き見た。
既に会社中に噂が流れてる事が分かった。
相手が次期社長候補だけに騒ぎが大きくなるのは当然だった。
B君とC君が駆け寄って来た。
C君にすいませんと何度も笑って答えた。
B君が、あいつ更迭になるみたいですよと言った。
じゃ、次は俺の番だなと自嘲気味に笑った。
二人はまさかという顔をしていた。
正直、どうでもよかった。
指示通りに応接室に行くと専務と常務が待ち構えていた。
とりあえず、一連の騒動について詫びを入れた。
そんなことより、この先どうするつもりなのか尋ねられた。
離婚の方向で話が進んでいると答えた。
途端に二人は険しい表情になった。
再構築なら俺を本社に迎える用意があると言われた。
しかし離婚なら嫁もペナルティをを免れないだろうと言われた。
離婚回避なら、嫁は不問になるんですか?と聞いた。
俺がそれを望むなら、その線で検討してもいいと言われた。
暴/力沙汰を起こした当事者(俺)が何でそんな厚遇を受けるのか疑問を持った。
事情がどうでも酔った相手が次期社長候補なら自分にも何らかの処分が下されるだろうと覚悟していただけに拍子抜けした。
いずれにせよもう少し時間をおくという事で話は収まった。
帰り際にAさんとB君に呼び止められた。
例の喫茶店で少し話した。
婚前から嫁と上司の関係を疑う人は少なからずいたのだとAさんが教えてくれた。
二人が営業先から会社に戻らず直帰が多かったたり、確信ではないけど、ただならぬ気配を感じていたとAさんは言っていた。
B君は復帰後は完全に(嫁と上司は)切れてると思っていたらしい。
訳あり物件だったんだねと俺が言うと
訳ありじゃなきゃあのレベルの物件は市場に出回らないわよと言われた。
その通りだと思った。
俺がうかつだったんだ。
コメント
確かこれネタでした、って判明したよな
本人も認めてたし(笑)
その後は逃亡しちゃってたけどwww
面白いからいいじゃん
まとめの中では圧倒的に読める文章だぞ
要約って言うけど、体験談に産業で説明って、何求めてんだ
仮に事実だとしたら今度生まれてくる子供よりも先に生まれた子供の方が托卵の可能性あるだろ?その子供を身籠った頃の汚嫁はまだ間男に夢中だった頃だから。
嫁に失敗を上司がフォロー笑
もういいから。創作は100%そうなんだけど、内容もなんだかなって感じ
読みやすかったけどあまり面白くなかった
どうでもいい薄っぺらい会話や心理描写みたいのが多すぎて(苦笑
再構築話なんていらねーんだよ無能が