小学生の頃のお話。
近所に変質者が出没していて、学校でも先生から注意するよう呼びかけられていた。
とは言っても昔の田舎の事で今ほど危機感はなかった。
それでもキャーキャーと噂話にはしていた。
先生の注意では具体的な行為はぼかされていたため、結構ぶっとんだ話もあった。
ある日自宅のあるマンションに帰る時、
大人の男に後をつけられている?
と思うことがあった。
まだ明るかったから怖くはなかったけど、田舎だから人は少ないし、家も少ない。
子供だからダッシュでマンションに入り、エレベーターは使わず階段を駆け上がって家に逃げ込んだ。
その後は何事もなかったから、すぐに忘れてしまった。
またある日マンションに帰りつくとエレベーターにその時の男が乗るのが見えた。
同じマンションの人だったんだ、と思って、階段から家に向かおうと上がっていくと、
途中でその男が待ち構えていた。
ギョッとして固まっていると、ペコっと頭下げてゆっくりすれ違って降りていこうとした。
こっちも会釈して避けたが、
すれ違った直後にガバっと抱きすくめられた。
口はふさがれてなかったが、ショックのためか声もでなかった。
ただ体は動いたので身をよじり腕をふりまわした。
ランドセルを背負ってたせいかすぐ振りほどくことができて、上に逃げようとしたらスカートをつかまれた。
直後、私の蹴りが男の顔にヒットして、メガネが階段の外側へとんで落ちていった。
男が何か叫んでうずくまった隙に、私は家に逃げ込んだ。
家には高校生の兄しかいなかったが、兄に抱きついて泣いた。
兄はびっくりしてたが、いろいろ聞いてきたので説明したら、K察に電話してくれた。
K察の人はすぐ来てくれたが、
男が階段から落ちてタヒんでたのを発見して大騒ぎとなった。
それから後は細かいことはあまり覚えていないが、男は事故タヒ、私はおとがめなし、チ力ン行為はなかったこと(証明できないから?)になって、私の家族は引っ越した。
田舎なのでいろいろ噂がたったらしいが、変質者が消えたことで悪くいう人は少なかった。
それでも親は私に配慮して引っ越しを決断したらしい。
ちなみに、変質者がしてたのはチ力ン行為までで、噂にあったような人さらいや人○し、変わった内容だとゲーム機を買ってくれるようなことはなかったらしい。
コメント
正当防衛で性犯罪者が一人減っただけ