夫が世話好きおじさんで、仲人の真似事をすることが多い。
夫婦でやるわけではないから(私は面倒くさがり)
正式な仲人ではなく紹介者とか仲介者と言ったほうがいいのかな。
ここ10年の傾向としては40代後半にさしかかった独身の息子さんを心配して
その母親が、うちの夫に「誰かいい人いないでしょうかね」と
頼ってくるパターンが多い。
その母親が息子を連れてたまに家に来ることがあるんだけど
たいがいの息子さんは優しくておとなしくていい人。
不細工てほど不細工でもない。
でも自分から女性にアプローチするほど結婚したいっていう積極性もなく
母親が心配性で過保護で、母親だけがずーっとしゃべってる。
このパターンの母子に女性を紹介すると、
3割くらい結婚にこぎつけられるけど4割くらい離婚しちゃう。
結婚しても母親がでしゃばり続けて、
息子が何もしないのでお嫁さんがいやになってしまうらしい。
そんなこんなで離婚率が高くなってとばっちりを受けることが多くなったので
最近夫は仲介者になるのをやめている。
でも先月なかなか大物の母子が来た。
まず断ってるのに来る。押しかけてくる。やんわり入れないようにすると騒ぐ。
夫が根負けして入れようとしたので断固として拒んで、近所のミスドで話を聞いた。
マシンガントークの母親(60代?)が
「息子に完璧な嫁を!」と1時間みっちり演説してくれた。
その横で息子(たぶん30~40代、色白ぽっちゃり)が
無垢な少年の目をしてアイスクリーム食べてた。
「職業は看護師ないしは医療従事者、介護師、薬剤師」
「事前に身辺調査はさせてもらうが、
その前にあなた方(私たち夫婦)でふるいにかけてくださらないと」
「ふしだらな娘はいらない。過去に彼氏がいるようなのは却下」
「ミス~の肩書きがあると親戚に鼻が高い」
「跡取りを生める体でないと困る。病院でナントカチェックをさせる」
総合すると
家事育児外貨稼ぎをして美人で若くて子供が産めて、
元ミス何々で処○な看護師(夜勤不可。浮気するから)
だそうだ。
唯一有意義だったのは、珍しく息子の方とも話せたことかな。
息子は母親の意気込みとは逆に恋愛結婚したいらしい。
理想の女性は母親が挙げたのとほぼ同じ。
息子が言うには、この理想の完璧な女性がなぜここまで尽くしてくれるか、
理由は「愛」らしい。
すべては息子への尽きぬ愛ゆえ、息子を楽させるため働き、
息子にいつも笑顔でいてほしいから完璧に家事をし
息子の血をたやさないため子供をたくさん産み育て、
息子にしか体を許さないから処○。
こういう内容のことをすごくロマンチックに語る。
でもその女性が「なぜ、どうして、どういう理由で」
息子を好きになるのかきっかけは語られない。
そしてその生活に、現実的な金銭問題は一切出てこない。
ちょっとでもお金の話をすると「そういう女性は求めてません」
息子の金を一銭でも使う女は金目当てで、
光熱費食費その他の必要事項はぜーんぶ「愛」でごまかされてしまう。
要するに金は妻側が「愛」で補填するらしい。
いつも母親が一方的にしゃべるパターンの母子ばかり見てきたから、
息子はこんなこと考えてるんだな~って感慨深かった。
ぜんぜん賛成はできないが。
「結婚に対して女の方がシビア」とはよく言うけど
そりゃ肝心なところを全部「愛でなんとかする」と抽象的にごまかしてたら
必然的に女がシビアに見えるよね。
でも母親は息子の新しいお世話係りを探しているだけで、
処○云々も「家電は新品がいい」と同義だしシビアっちゃシビアかも。
とりあえず「該当する女性がいたら紹介します」と言って帰宅した。
嘘は言ってない。そんな女性いないから紹介もできないだけ。
まさに、逃げ恥みくりの言うところの 愛情の搾取 ですね。
で、その息子さんはその女性に 愛として どんなお返しをするのかしらね?
そんな奴は、体育座りしたまま一生夢見てろ、とw
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