元嫁はタヒぬほどびびっていたけど、それは間嫁に対してだった。
俺に対しては見事に開き直ってみせた。
・あなたとは離婚するつもりだったから平気
・間男さんと別に再婚するつもりはない
・とにかく離婚するからガタガタ言うな
とか、一切言い訳せず極限まで開き直る様は
清々しくさえあった。
ただ、きつかったのは「夜の関係が苦痛だった」と言われたこと
俺は実は嫁が初カノで、25歳にして初めてできた彼女が
あまりに美人(これは事実で、元嫁は顔だけは最高に良かった)で、
勢いで結婚まで押し切ったから、かなり嫁の言いなりな部分があり、
夜だって、拒否・制限ばかり。
お互いが風呂入ってないときは断固拒否だった。
なので、元嫁が俺を拒否るときの常套手段は風呂入らずに寝て、
翌朝シャワーを浴びるというやり方。
それでもこんな美人と結婚できたんだから、と満足してるつもりだった。
あ、あと元嫁も「女=無条件に慰謝料もらえる」
と思ってたバカの口で、早めに現金で欲しいとか
言い出したのには笑ってしまった。
開き直りってのは凄いなと思った。
俺が取り上げた内容証明も
「返して」
「ダメだ」
「返して」
「ダメだ」
「じゃあいい」
と言って、平然と当事者である間男のいる店に出勤して行った。
弁護士に電話して、内容証明が来た旨を伝え
それをぶん取った現物があると言ったら
「現物ぶん取るのはまずいのでコピー取って原本返して下さい」
「むこうから先に来ると、何か不利になりますか?」
「い い え 全 然 !こちらが取る分の慰謝料
残しておいてねーって感じですw」
その日は内容証明のコピーを弁護士に届けに行って、帰ってきたら
まるで強盗が入ったかのように、家の中の色々なものがない。
主に白物家電とテレビが無くなっていた。
たぶん間男だけじゃない。バイトの高校生なんかも使ったのだろう。
俺と鉢合わせしたらどうするつもりだったんだろう。
たぶん店の中で、二人は公認で俺は他の従業員も含めて
なめられ切っていたんだろうな。
俺のパソコンの上に署名捺印済みの離婚届が置いてあった。
弁護士に電話したら、まさか嫁から出されるとは思ってなかったようで
「まだ出してないですね!?出しちゃダメですよ!」
と言われた。
この日から子供は俺の実家に行かせることにする。
ここから子供の修羅場があるのだが、本題とそれるので割愛
その日から嫁は帰って来なかった。
それから弁護士から連絡があり、間嫁が会いたいとのことで
俺、俺弁、間嫁、間弁の四者で、俺弁の事務所で会った。
間嫁の第一印象は、間男のDQNっぽさに負けず劣らず
DQNな風貌で(まさかこれが後に今嫁になるとは夢にも思わず)、
逆上して掴みかかられるんじゃないかと俺はビビッてすらいたw
元嫁に内容証明を送った後、子供を連れて実家に帰っているという
この間嫁は、(俺にとっては)威圧的な風貌とは対照的に、
口を開くと非常に冷静に淡々と喋る人で、
「このたびは夫が大変なことをしでかしまして」と
深々と頭を下げられたのは意外だった。
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