頭が真っ白になって動けずにいた。
するとドアノブがゆっくり回ってドアが開いた。
『おじゃましまーす!』
ニッコリ笑ってるその顔はいつも見てる可愛い彼女に間違いはなかった。
そして、彼女も俺だと理解するのに時間がかかったみたいだった。
理解した彼女は
『え、なんで…?』
と言ったけど、それ間違いなく俺の思いと一緒だった。
あーあ、こりゃもう駄目だ。
よく突撃したな
最初にもしクロなら言い訳なんか聞かず、料金だけ渡して帰ろうと思ってたけど気付いたら『なんで?』と聞いていた。
別にお金に困ってるわけでもなく、ちゃんと俺を愛してくれていたのに…
俺の中では理由は思いあたらなかった。
アレコレ理由を言ってきたけど、全て言い返せる内容だった。
そして、ホテルの廊下に力なく座り込んでしまった彼女を放置してホテルから出た。
灰色が真っ黒になった瞬間か。
どっちもどっち
でもお小遣い稼ぎの子もいるから
何か最近女性を信じれない
そこから何も考えずに車で家に帰った。
しばらくしてから彼女から電話がきた。
内容は『会って話を聞いてほしい』『ごめんなさい』だった。
そこでホテルではでなかった怒りの感情が爆発した。
『堕ちたな』『安い女』『バ.イ.タ.』などの思いつく限りの汚い言葉で罵倒し続けた。
でも、そんなもんで消えることのない過去なのはわかってるから余計に苛立ちが収まらなかった。
相変わらず彼女は『ごめんなさい』。
最終的に彼女から『私が消えるから』と言って電話は終わった。
後味悪いな
それからの喪失感は半端なかった。
半同棲してたから家には思い出の品がいっぱい。プライベートで車に乗るときも助手席は誰もいない。よく通る道を通ったときには、ここでこんな話してたよなーとか思ったり。
元から生活の中心が彼女だったせいもあって、苦しくて辛かった。
なにより1ヶ月半後には、入籍後のことも考えて地方に引っ越そうとしてたから、そのためにがんばってたのもあって、目標を見失ってしまった。
そう、頑張る意味がなくなった。
こんな状況になって関係回復とかあり得ないだろうからな。私から消えるも糞も、破談以外ないだろ
一応彼女の言い訳が気になるが、聞いたところで許せないだろうな。
コメント
自分に酔ってる中二病なキモイ男
これからも過去だけ見て後ろ向きに生きていけよ