その日俺は仕事で職場に泊まるかも、と言っていた
しかし相手は職場の飲み会と旦那に話していたので帰る必要があった
なかなか帰りたがらず、流石に朝まで飲みに行く年齢でも立場でもないので何とか返したが
相手が帰ったのは3時を過ぎていた
大丈夫かな、と不安がよぎったのと同時に、
もう嫁とはご無沙汰になっていた時に、久しぶりに女性を満足
させられたことで愉悦感に浸っていた
浮気男の言い訳のテンプレみたいだが、
ひさびさに男としての自分を誰かに見てもらい、合格をもらった気分だった
次の日も職場でaikoとは会った
こちらを見て犬が吠えるような仕草をした
「余計なことをするな」と俺は凍りついたが、内心嬉しかった
メールでごちゃごちゃ迫ってくるような鬱陶しい女ではなかった
ほどなく2度目のデートに誘うと「あれっきりだったらどうしよう、
本気で好きになっちゃったのに」と言われた
まあ、あれっきりの方が世間的にはまだ許されたんだろう
会うたびに少しずつ夜の生シ舌以外を求める部分が増えて言った
昼間に会いたいとか、どこどこに行きたい、手を繋いで街を歩きたいと
既婚男女の関係なのにと違和感をかんじ始めた
紅葉を見たり
遠くの観光地に出かけたり
コンビニ飯を買い込んでホテルに24時間立てこもったりした
楽しかった
独身みたいな楽しさだった
破滅の始まり
プレゼントもした
職場でつけてて違和感のないピアスとか
おしゃれさんでいろんなピアスをしていたのに
プレゼントをしてからそれしか着けなくなった
独占欲が満たされたと同時に、職場では今までと同じように
振舞っていてほしいと焦った
相手のことは心底好きだったが、嫁が嫌いになったわけじゃなかった
aikoと比べると遊びにも行けない、夜の生シ舌なんてしたとしてもイヤイヤ、
子育てのための道具と思われてるんじゃないかと怒りが沸くことが多かった
それでも過程を壊す気は無かった(不倫してる時点でこの表現は正確じゃないが)
aikoは違った
不倫で盛り上がっていることを「ラリっている」と表現する板があるが
まさにラリった状態で「もっと早く会いたかった」
「おじいちゃんおばあちゃんになったら一緒になれるかな」などと
メールしていると、aikoからの返事に凍りついた
「私は子供も含めて全部捨てる覚悟はあるよ」
俺が言うのもなんだが、お前母親だろう、と
aikoとの夜の生シ舌は1ー2週に1度は続いたが
不安にさせられるメールがどんどん増えた
私より奥さんと過ごす時間が多いのが許せないとか、
仕事中にごく普通の声量で「お弁当、冷蔵庫に入ってるよ」とか、
きわめつけは「スーパーで奥さん見つけちゃった」だった
すまん
結論を出す必要があった
このまま再婚を目指すaikoに流されるのか
今の家庭に戻るのか
いろんな不満をaikoにぶつけていたのに、俺は今の嫁と一緒にいることを選んだ
いかに穏便に分かれるか、もうただの割り切りではなかった
紛れもなく恋人関係だったからだ
コメント
欧州みたいに子供いても気軽に離婚出来る世の中になればいいのに
その代わり共同親権や面会確保が保証されない場合刑事罰や、養育の義務は徹底させて
「不倫するような外道な人間は決して平穏な人生で終わらない。
いつか必ず運命によってドン底へ叩き落されるかコロされる。
それが病気によってなのか事故なのか、若い頃なのか年取ってからなのか分からないけど、人生不思議とそう出来ている。」