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浮気した彼を諦められない【長編】

サレ女
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33: 前841 2001/08/11(土) 04:13

「とりあえず適当な所で車を止めて。」
ようやく私が言えたのはその一言でした。
あまり人気のない所で車を止め、話し合うことになって
まず最初に思ったのは現実的なことでした。
もう予約もして、お金も払った旅行のこと。
、彼がどうしても行きたいと言うから
頑張って休みを貰って行く事にした、初めての海外のこと。

私「旅行はどうするの?もう1週間前だよ。休みもとって
  お金も払ったし、なんでせめて旅行が終わるまで
  黙っててくれなかったの。」
すると彼は言いました。
「旅行には行きたい。だから凄く悩んだよ。
 でももうお前より、あの子と一緒にいたいと思ったから、
 旅行には行きたいけど、あの子が心配するから行かない。」
彼の「あの子」という呼び方で私はわかってしまいました。
痛いほど、彼の気持ちが私から急速に去っていくことが。

37: 前841 2001/08/11(土) 04:22

もう終わりだと、そこまでわかっていたけれど、
ここであっさり身をひくしかないんだと、
そう自分に言い聞かせても無理でした。
それでもつとめて冷静に、私は反論を開始しました。

私達の3年間はそんな浅い付き合いではなかったこと。
それは一時の気の迷いに過ぎず、時が経てば忘れること。
私も最近、思いやりが足りなくなっていたこと。
素直になれないけれど、本当は誰よりもあなたを
大事に思っていること。

嵐の前の静けさのように、私は淡々と話しました。
3年もつき合った相手です。
どこを突けば彼の心が揺らぐかもわかっていました。
まるで母親が小さな子供に言い聞かせるかのように
私は話し続けました。
ここで感情的になってはいけない。
私に残された最後の理性がそう言っていました。
彼は終始、無言でした。
彼の横顔から、私とその子をどちらも失いたくない、
その狭間で揺れ動く感情が見て取れました。

47: 前841 2001/08/11(土) 04:36

今までどんな時も私を一番に考えてくれていた、
頼りなくて流されやすいけど優しい彼は
姿を消していました。
彼は、それでもあの子が好きだをくり返し、
そして私にこう言いました。

お前とはここ最近、喧嘩ばかりしていて疲れた。
お前の事は大事だし、嫌いになんかなれない。
言うつもりはなかったけど、本当はお前のことも
まだ好きだって思う。
でも多分やり直してもまた同じ事の繰り返しだし、
口に出してしまったことを今さら変えられない。
あの子は俺の話すことに笑ってくれる。
安らげる場所だと思えたんだよ、と。

だったらどうして私と別れる前に、
その子と寝たりしたのよ!?
私の最後の理性も、押し寄せる感情の波には
抗えませんでした。
私はようやく、涙を流す事が出来ました。
発.狂.し、号泣する事によって。

51: 前841 2001/08/11(土) 04:45

実は私は鬱病だったのですが、その当時は
本当に人と話す事もできない位症状が重く
彼には内緒で1ヶ月前くらいから病院に通っていたのです。
彼は私が鬱傾向にあることは知っていましたが、
通院するほどだとは思っていませんでした。

もう遅いと知りながら、私は泣きながら話しました。
話したと言うよりも、叫んでいました。
ここ最近喧嘩が多かったのは病気のせいだったこと。
でも、自分が病気であることに甘えているのではないか
不安だったし、恥ずかしくて言えなかったこと。
そんな自分が嫌いで仕方がなかったこと。
あなたが初めて信じられる人だったこと。
誰よりもあなたをわかっているのは自分だし、
私もあなたを失っては生きていけないと。

泣き叫びながら、どんどん惨めになっていく自分。
惨めさと自己嫌悪で一杯になりながらも、
それでも発.狂.してしまった私は自分を止められなかった。
そして私は車道に飛び出して行きました。
そんな自分が大嫌いだと、心の底で思っていながらも。

53: 前841 2001/08/11(土) 04:56

勿論彼は私を追ってきました。
別にその時は、車に轢かれても良かったんです。
狂言じゃなくて、もうただ自分が止められないんです。
人目も気にせず泣き叫ぶ私を車に連れ戻し、
また私が車道に走り出て・・・
それを何度繰り返したでしょうか。

「もう疲れたよ。重い。」
彼の口から、私にとってタヒ刑宣告である言葉が
放たれました。
自分でもわかっていました。
でも当時鬱が最高潮に達していた私を傷つけるには
充分すぎるくらいの痛い言葉でした。
今でもその言葉を忘れる事はできません。
と同時に、荒れくるう私を鎮める言葉でもありました。
あとは再びきた震えに身を任せ、しゃくりあげながら
虚ろな目をして私は脱力してシートにもたれ掛かっていました。
月はその時もきれいでした。

サレ女長編
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