約30分の遅刻からして、そうとうてこずらされたと思います。P太もCB子
も本当に渋々といった風で、かなり強引に連れて来られたのでしょう。
Z郎の方は物凄い動揺ぶりで、私は話を聞くまでもないと思いました。
X美は有無を言わせずCB子、P太の順でZ郎の横へ座らせ、自分も私
の横に腰掛けると
「CB子、あんたまたやったでしょ?」
いきなり指摘し、次にP太へ、CB子からこういう感じのアプローチを受け
なかったかと聞きました。
CB子の略奪パターンは、ターゲットの得意分野についてまず誉めまくり、
彼女も持ち上げ、好印象を植え付けてから小さな用事を頼み、その度
に
「ありがとう! さすが〇〇くんね」「助かっちゃった~。頼りになる~」
と大げさなくらい感謝して、助けてもらったお礼にの名目で部屋へ呼ん
だりデートに誘ったりし、体の関係へ持ちこむというものでした。
ターゲットの彼女をストレートに悪く言う事は決してせず、いわゆる誉
め○しで自分を売り込み、ターゲットを落とす。
過去に2回これをやった事がX美他一部に知られていて、今回のP太も
まさしくそのパターン通りだったのです。
別れたX美からずばずばと経緯を当てられて、P太もさすがにおかしい
と思ったらしく、真っ青になってZ郎とCB子を見つめたまま沈黙しまし
た。
X美は手加減無用の勢いでCB子に
「せっかくうまくいってたP太と地味子に何してるのよあんた!」
「どうせ長続きしないくせして。P太も地味子もあんたの遊び道具じゃ
ないのよ!」
激しく抗議。当事者なはずの私はかやの外状態でした。
やがて気が強いX美にさんざん罵倒されたCB子がキレ気味になり
「何怒ってるのよ、あんたP太の元カノでしょ!」
意味不明な反論を始めました。一同ぽかーん、特にP太が。
「何言ってるの?」
「悔しくないの? こんなブス(←私を見て)に付き合い長かったP太とられて。
全然似合ってないじゃないの。P太はブス専になったのかってみんな陰で笑
ってるんだよ?」
「私、X美のために復讐してあげたのに。なんで元カノのくせして地味子の味
方してるのよ。少しは私に感謝してくれてもいいでしょ!」
一同愕然です。
どうもCB子は、P太とX美の別れが私の略奪によるものと思っているようす
でした。
いくら円満に解決したと力説しても、そんなハズがない地味子の略奪だ、と
主張して一歩も譲りません。
「P太は地味子にそそのかされて血迷った、X美にはもう新彼がいるらしい、
だったら私がP太を取り返す」
こういう趣旨のCB子の言い分です。私には理解不能でした。
X美とCB子が睨み合う中、急にZ郎が「ごめん」と言い出しました。
騙し切れないと覚悟したようで、カップルクラッシャーCB子をけしかけた、
実は陰で協力体制をとっていた。予想通りの裏事実を白状したのです。
最初の頃は私たちを応援するつもりだったが、途中から私を好きになり
何とかP太と別れさせたい、P太とX美の別れ話を参考にして、それぞれ
に新彼・新カノができればうまくいくと思った。
Z郎はそう説明しました。
CB子は、X美には勝ち目はないけど私が相手ならイケる、とZ郎の計画
に乗ったとの事です。
いつもの手口でP太に近づき、Z郎からゲットした彼の喜ぶツボ情報を活
用して自分に傾かせ、頃合を見計らってZ郎が私にレポートの相談等を
しているところへさりげなくP太と通りかかるようにして
「Z郎と地味子は怪しい」
ように見せかけ、とどめにZ郎が
「俺は地味子が好きだ、もしP太がCB子を選ぶなら地味子は俺が引き
受ける。彼女も俺に興味もってくれてるみたいだし、X美の時のように円
満解決できる」
「でも地味子はまだP太に少し未練をもっている、きっぱり諦めがつくよう
に冷たい態度をとって突き放してあげて欲しい。地味子は二又を嫌うし、
P太も戻る気がないならそうしたほうが彼女のためだ」
ともちかけたというのです。
その間にも、私にはふたりの様子を探ると言いつつP太を煽ったりいろい
ろやっていたとの事。
この頃、P太はCB子の部屋によく行くようになっていて、関係済みでした。
私が倦怠期かな~とのんきに考えていた時期です。
P太は顔面蒼白、必タヒで私に謝り始めました。
「ごめん。ついCB子と……地味子は二又を許さないって最初に言ってた
から、バレたら終わりだと思ってて。
何とか内緒でCB子と切れようと思ってたんだけど、ズルズルしちゃってて、
そのうちにZ郎が地味子を引き受けると言い出して、俺もCB子に気持ちが
いっちゃって。X美の時のように、簡単に話がまとまると思っていた。
ほんとにごめん」
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