で、お互い納得して別れて解散ってなら修羅場にはならなかった。
先にこの場の雰囲気を壊したのは2号君だった。
「んでどうする?正直俺も好きだったからまじで凹んでるんだけど。」
俺「そりゃあ俺だってな、裏切られたわけだし。」
S子「ごめんなさい・・・」
俺「S子はどうしたいの?どっちかを取るのか、それとも両方と別れるのか」
普通だったら浮気されたわけだし、問答無用で話を聞かないところだけど
2号君がどうも憎めない俺。
普通に性格も良さそうだし、もう少し話せばいい友達になれる感じの好青年。(俺より年上だけど)
2号君「そうだよな、どうすんの?S子」
俺「2号君はどうしたい?もしも2号君と付き合いたいって言ったら付き合える?」
2号君「え?1号君ってそういう趣味?!」
俺「違うってwS子とだよw」
駄目だ、どうも彼のペースに巻き込まれる。
2号君「まあショックだけどねー。それでもまた付き合えるなら付き合いたい。そのくらい好きだから」
うん、全く俺と同じ考え。俺もそのくらい彼女のこと好きだったから。
2号君「でもさ、やっぱりこのままで済ますのもまずいと思うんだよ。俺だって1号君だって裏切られたわけだし」
俺「そりゃそうだね。でも彼女は反省してるし、これ以上傷付けたくないよ、好きだから」
2号君「俺もそう思う。さっきから彼女泣きっぱなしだし、これ以上悲しませたくない。」
そう、さっきから返事をしない彼女はずっと泣いている。
惚れた者の弱みか、いまいち煮え切らない男2人。
2号君「それでさ、俺らでケジメつけない?彼女を傷つけることなく」
俺「どうやって?まさか三人で合意して付き合うとか?」
2号君「1号君とならそれもいいけどさ、そのうち独占欲が沸いてどっちかが苦しむよ。
それだったら今2人で同じ苦しみを味わおう。」
俺「わかった。どうやって?」
ここを見てる人は「こいつら頭おかしいんじゃない?」って思うかもしれない。
でもなんか2人して奇妙な連帯感みたいのが生まれてた。
修羅場なはずなのになんか和やかというか。
2号君「S子、カッターナ○フある?」
ちょっと待て、何をする気だ?と正直思った。
泣きながらだけど素直にカッターナ○フを出すS子。
2号君「S子が俺ら2人のどっちか、もしくは両方を好きならこれをやれば二度と浮気はしないはずだから」
と自信満々な2号君。
2号君「1号君、ちょっと腕出して?」
怖い事を言い出し、何をされるか検討のつかない俺。
でも何となく「彼は酷いことはしない」と思った。
腕を出した俺を見て「少し痛いけど我慢して」と俺の腕をカッターで切った。
これを見て俺よりあわてたのがS子。
「なにやってんの!やめて!」
と叫ぶ。
が、2号君が「黙ってろ!誰の為にこうなったと思ってんだ!」いきなり切れる。
それでも叫ぶS子。
「お願いだからやめて!」
2号君「動くな!動くと手元がくるうから!」
多分これにびびったS子は何も言わなくなった。
2号君「じゃあ次は俺ね、1号君さ、俺腕を同じように切って」
これはどんな意味があるんだろう、と真剣に思った。
でもノリで同じ事をした。
そしてお互い血を流しながら、腕に合計4本の傷が出来た。
ウォーズマンのベアクローで引っかいたみたいに。
っていうか床に血が滴り落ちててやばそうだった。
彼女は途中「もうやめて!本当に!」と言っていた。
動かなかったけど。
なんか儀式めいたものが終った後、改めて聞いてみた。
俺「で、どうする?どっちかにする?両方と別れる?」
2号君「俺らは俺ら、男同士でケジメをつけた。あとはお前の返事だけだ。」
今のがどういうケジメだったのかわからなかったが、喧嘩にならないならまあいいやと思った。
2号君「黙っているのはいいけど、俺らお前が決めるまで止血しないから」
ナンダッテー!?
そんなのは聞いてない。
でもとっとと結論出して欲しかった。
血の量は多いけど、お互い実はそこまで深く切れていない。
切った場所が多いので血は流れてるけど、多分あと10分もすれば血が固まる。
っていうか、とっとと結論出してくれないと深く切っていないことがばれるのでやばい。
まあ2号君がそこまで考えてたかわからないけど。
コメント
いやいやいやいや、キモイキモイキモイ!!
経験あるけど3Pは全員が恋愛感情なしじゃないと絶対にしちゃダメ